ハリソン・バートウィッスル

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ハリソン・バートウィッスルHarrison Birtwistle, 1934年7月15日- )はイギリス現代音楽作曲家

略歴[編集]

アクリントン生まれ。ブラスバンドに親しむが、やがて作曲に転科。アレクサンダー・ゲーア、ジョン・オグドン、ピーター・マクスウェル・デイヴィス、エルガー・ハワーズとともにマンチェスター楽派を結成し、主に音楽劇の分野で頭角を現す。最初の成功作は、オペラ「パンチとジュディー」。器楽や声楽の分野でも職人芸的な技術は冴えており、ロンドン・シンフォニエッタのためにいくつかの室内オーケストラの作品を書き下ろしている。1990年代以降は、世界中に弟子が増えたために、イギリスに留まらない委嘱が舞い込み、国際的に重鎮と称えられるまでになったが、初期から中期の重要作はほとんど音盤化がなされなかった(前述の「パンチとジュディー」もDeccaからリリース後即座に廃盤、Etceteraからリリースされた後長らく絶版状態で、NMCで再発されたが、録音時期が余りにも古すぎる。)ために、作風の全貌が把握されているとは言いがたい作曲家である。2012年度の武満徹作曲賞の審査員に選ばれているが、日本にはそれ以前から知られており、日本人の弟子にイギリス歌曲に造詣の深いなかにしあかねがいる。世界的に著名になったのはグロマイヤー賞の受賞に輝いてからであり、それ以前の重要作は頻繁に演奏されているとはいえない。

作風[編集]

特殊奏法は少なく、無調であるが旋律リズム反復進行をためらうことなく用いる。ウィキペディア英語版には「彼の作風を特定の楽派や運動でくくるのは易しくない」と書かれているが、それは、バートウィッスルの視点が常にカノンリチェルカーレなどの対位法的な造形感覚に置かれていながら、20世紀の全ての語法を参照するためである。

初期は当時の前衛を参照した聞きづらい音選びがなされながらも、音色的に硬質で明るいためになぜかポップに聴こえる独特な音楽であったが、80年代以降前衛が低調になったことにあわせてクラシック的な音選びに回帰し、1990年代の「アンティフォニー」では協奏的ソナタ形式への再挑戦がなされている。ちなみに、aでもbフラットでもないc管クラリネットを楽器編成に意図的に使用したのは彼が最初である。

参考文献[編集]

主要作品[編集]

Opera[編集]

  • Punch and Judy (1967), opera
  • The Mask of Orpheus (1984), opera and tape, winner of the 1987 グロマイヤー賞受賞.
  • Yan Tan Tethera, A Mechanical Pastoral, chamber opera (1986)
  • Gawain (1990), opera
  • The Second Mrs Kong (1994), opera
  • The Last Supper (2000), opera and tape
  • The Io Passion (2004), chamber opera
  • The Minotaur (2008), opera

Other Works[編集]

  • Tragoedia, for flute, oboe, clarinet, bassoon, horn, harp and string quartet (1965)
  • Down by the Greenwood Side, A Dramatic Pastoral (1968–69)
  • The Triumph of Time (1971), orchestra
  • Grimethorpe Aria (1973), British style brass band
  • Silbury Air (1976–77), chamber orchestra
  • Secret Theatre, for chamber ensemble (1984)
  • Earth Dances (1986), orchestra
  • Antiphonies (1992), piano and orchestra
  • Panic (1995), alto saxophone, jazz drum kit and orchestra
  • Pulse Shadows (9 Movements for string quartet interleaved with 9 Settings of Celan) (1989–96)
  • The Axe Manual, for piano and percussion (2000)
  • Theseus Game, for large ensemble with two conductors (2002)
  • The Corridor (2009), scena for two singers and ensemble
  • Angel Fighter (2010), dramatic cantata
  • Concerto for Violin and Orchestra (2009-10)
  • In Broken Images (2011), for ensemble