ノックダウン

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ノックダウンKnock Down)は、ボクシング格闘技(特に立ち技系格闘技)の試合中に相手の攻撃を受けて足の裏以外の部分を地面につける状態のことである。単にダウンと省略されることもある。ただし、ノックアウトとは違い、英単語の頭文字をとって「KD」と呼ばれたり表記されることはない。以下はノックダウンをダウンと表記する。

概要[編集]

ボクシングやキックボクシングなどの試合では、ダウンを宣告してから立ち上がって試合を続行できないと判断される場合にノックアウト(以下、KO)が宣告され、試合が終了させられる。ダウンをしたまま10秒間立ち上がらない場合は、自動的にKOとなる。

ボクシングなど、ダウン後の攻撃をしない格闘技では、相手をノックアウトをさせた選手はレフェリーから倒れている選手からできるだけ遠いコーナーへ行くことを指示される。

スタンディングダウン
地面に足の裏以外の部分をつけなくても、あまりにも一方的に攻撃を加えられ続けて防戦一方になった場合、レフェリーがダウンしたと扱って宣告すること。基本的に、ダウンを宣告されてしまうとポイントを失うため判定にも影響する。選手の中には、勝ちたい一心で、強いダメージを受けても倒れることを是が非でも避けようとする選手もおり、こうなると必要以上にダメージが蓄積されてしまう。そこで、一方的に攻撃される状態が続くようならば、立っていてもダウンを宣告して一旦試合の流れを止めるようになった。
日本ボクシングコミッション(JBC)では1998年2月にスタンディングカウント(スタンディングダウン)を廃止したが、当初から日本プロボクシング協会内部には復活を求める声が高く、JBCと協会の連絡会議では復活を求める要望とそれを否定するやりとりが頻繁に交わされている。2008年10月10日のJBC試合役員会でも、協会関係者からのスタンディングダウンを復活してほしいとの要望に、試合役員会が事故防止の観点から応じられないと意思表示するやりとりがあった[1]。ルール上はノースタンディングカウントを貫いているが、実際にはレフェリーのルール解釈によりルールブックにはない「ロープダウン」の名の下にスタンディングカウントが行われている[2]
ダブルノックダウン
対戦している両者が同時にノックダウンになった状態のこと。レフェリーが10カウントを始めるが、両者ともが立ち上がって試合続行可能であればそのまま続行。一方が立ち上がって一方が立ち上がれなければノックアウトとして勝敗が決定。両者とも立ち上がれなければダブルノックアウトとして引き分けとなる。

他競技[編集]

寝技が使えるプロレス総合格闘技のような競技でも、攻撃を受けて瞬間的に意識が飛んだりした場合には、ノックダウンを宣告するルールを規定する団体もある。ただ、競技の性質上、先に述べたようなルールを規定する団体は稀である。これは、攻撃を受けて倒れこんだとしても、そこから寝技などの展開があるため、試合の流れを止めることが出来ないからである。その為、プロレスと総合格闘技では、事実上「ノックダウン」は存在しないといえる。

スリップ[編集]

攻撃を受けて倒れても、ダウンが宣告されないケースもある。それは、攻撃が体を掠めただけで大したダメージがなく、足を滑らせたり、バランスを崩したり、尻餅をついたりするケースである。こうした場合、レフェリーは「スリップ」を宣告し、対戦相手を倒れた選手から引き離し、倒れた選手が立ち上がるまで試合の流れを止める。そして、選手が立ち上がると、試合を続行させる。問題点としては、対戦相手の攻撃が選手にダメージを与えたから倒れたのか、それとも単にバランスを崩しただけなのか、レフェリーには判断が付かないことがあげられる。単にバランスを崩して尻餅をついただけなのに、レフェリーが誤ってダウンを取ることがあり、選手が猛抗議したり、「相手の攻撃は効いてない」とアピールする場面も見られる。

脚注[編集]

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  1. ^ 日本ボクシングコミッション/2008年10月10日 東京地区 試合役員会報告書
  2. ^ 〈ルールの解釈・適用に疑問を呈す〉 日本ボクシング情報局 2000年8月6日
    このコラムの中で参考資料とされている「日本ボクシング年鑑2000」(『ボクシング・マガジン3月号増刊 平成12年日本ボクシング年鑑』 日本ボクシングコミッション/全日本ボクシング協会協力、ベースボール・マガジン社、2000年3月31日発行 第30巻第4号 通巻392号 共通雑誌コードT1108034031508 雑誌08034-3)の「ボクシング用語辞典」から、コラム内に用いられている語句の定義を下記に引用する。
    • スタンディング・カウント=ダウンに等しいダメージを負ったときに、レフェリーは立ったままダウンを宣告できた。日本の場合、現在は廃止している」(同書21頁)
    • ロープ・ダウン=和製英語で使われなくなった。スタンディング・カウントがなくなったことで、日本のルールにもない。ロープにもたれかかったときに、こういう言い方をした」(同書23頁)

関連項目[編集]