ノグルミ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ノグルミ
Platycarya strobilacea
Platycarya strobilacea大阪府、2007年11月18日)
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : マメ類 fabids
: ブナ目 Fagales
: クルミ科 Juglandaceae
: ノグルミ属 Platycarya
: ノグルミ P. strobilacea
学名
Platycarya strobilacea Siebold et Zucc. (1843)[1]
シノニム
和名
ノグルミ(野胡桃)、ノブノキ、ヤマグルミ

ノグルミ(野胡桃[3]学名: Platycarya strobilacea)は、クルミ科ノグルミ属落葉高木[4]。山野に生える。葉や樹形がオニグルミなどのクルミに似ていて山野にみられることに由来する[4]

分布・生育地[編集]

中国中南部、台湾朝鮮半島日本東海以西の本州四国九州)に分布する[4]

日当たりの良いところを好む。

特徴[編集]

落葉広葉樹の高木で、幹は直立して樹高は10 - 20メートル (m) くらい、直径は60センチメートル (cm) くらいになる[4][3]。樹皮は黒褐色で縦に細かく裂ける[3]。一年枝はやや太く、多数の皮目があり、無毛かまばらに毛が残る[3]

互生で、奇数羽状複葉

期は6月ごろ[3]風媒花であり、風に乗せて花粉を運ぶ。雌雄同株

果実は革質の硬い鱗片で覆われ、形状は長楕円形でハリネズミに似ている[4]。これは、トゲトゲしていて触ると痛いし、食用にもならない。冬でも枝の先に果穂が残る[3]

冬芽は卵形で短毛があり、上部の芽鱗はときに黄褐色を帯びる[3]。枝先の頂芽側芽よりも大きく、側芽は枝に互生する[3]。葉痕は心形や腎形で、維管束痕が3個つく[3]

人間との関わり[編集]

建築材、器具材にする[4]。樹皮から抽出するタンニンは皮をなめすのに利用された[4]

ノグルミを燃やすと特有の芳香があり、中国地方や九州地方では福の神を呼ぶため大晦日節分にこれを焚く風習があった[4]。昔は、樹皮や枝葉を砕いて魚毒にした[3]

脚注[編集]

参考文献[編集]

  • 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、139頁。ISBN 978-4-416-61438-9 
  • 茂木透 写真、高橋秀男・勝山輝男 監修『樹に咲く花:離弁花 1』(改訂第3版)山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑 3〉、2003年5月、22-23頁。ISBN 4-635-07003-4 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]