コンテンツにスキップ

ポンジャン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ドンジャラから転送)

ポンジャンは、日本で考案された麻雀のルールを簡略化したテーブルゲームである。かつて存在した玩具メーカーのアノアより発売されたが、現在はタカラトミーが権利を引き継いでいる。また、他社からも類似のゲームが販売されている。

概要

[編集]

麻雀をアレンジ、ルールを簡素化し、雰囲気を味わえ、子供から高齢者まで楽しめるゲームという位置付けで売り出された。のちにはゲームソフトも発売された。

玩具メーカーのアノアより1976年に発売されたが、同社の倒産後はクローバーが、クローバー倒産後はトミー(現:タカラトミー)が権利を引き継いだため、現在はタカラトミーの登録商標になっている。牌の絵柄は、当初は船・自動車・飛行機だったが、トミー時代以降は後述の「ドンジャラ」同様にキャラクター商品化し、ポケットモンスターディズニーの絵柄のものが販売されている。現在はアノア版の復刻版も流通している。

ルール

[編集]

製品によって役などは大きく異なる。ここでは共通部分に限って説明する。

ゲームの目的

[編集]

最終的に、他の競技者より多くのチップ(点棒)を得ることを目標とする。

ポンジャンにおける1つのゲーム(半荘)は数回のプレイ(局)から成り、それぞれのプレイは手牌で同一の牌3枚ずつの組み合わせを作ることでアガリ(和了)になる。上がった人の点数をルールブックによって計算し、それ以外の人から点数に従ってチップを得ることができる。

使用する道具

[編集]

80枚強の直方体の、チップ、サイコロ2個を使用する。

牌は通常9つの種類に別れ、同じ種類の牌は基本的に9枚ずつある(10種×8枚など、異なる組み合わせのものもある)。牌の種類は、背景色やマーク・点数などで区別される。違うキャラクターが描いてあるからといって、必ずしも違う種類ではない。ほかにポンジャンでは「ワイルドカード」、ドンジャラでは「オールマイティ」が加わることがある。

チップは、ゲーム(半荘)開始前に各競技者に配るが、最初に配るチップの量は、製品によって異なる。

プレイの準備

[編集]

実際のプレイの前には、サイコロを振るなど、なんらかの方法で親を決める。

各人は牌を自分の前に伏せて、2段のを作る。ワイルドカードのある82枚セットでは、親が22枚、子が20枚の山を作る。

サイコロを振って、それによって決まった場所から各人に2枚ずつ4回配る。したがって各人の手牌は8枚になる。

親に最初9枚配ることもある。この場合は親は山から牌を取らず、最初から捨てる。

コンピュータを使ったゲームの場合、山は作られず、残りの牌の数だけが表示されることが多い。

プレイ(半荘)の進行

[編集]

親から順に、時計回りにプレイが進行する。山から牌を1枚とり、手牌に加えて9枚とする。9枚が、同一種類の牌の3枚組(「セット」と呼ばれる)3つから成り立っている場合は、そこでアガリ(和了)となり、プレイは終了する。それ以外の時は任意の牌1枚を捨てる。ワイルドカードは任意の牌のかわりに使うことができる。

自分の手番によって、あと1枚でアガリになる状態になった場合は、牌を捨てる際にリーチ[1]を宣言できる。リーチを宣言した人は、山から取った牌でアガリにならない場合は、その牌をそのまま捨てなければならない。そのかわり、他人が捨てた牌でアガること(ロン)ができるようになる。

プレイが終わったら、ルールブックにしたがって点数の計算をする。ロンの場合はその牌を捨てた人がひとりでチップを払う。そうでない場合は、合計がその点数になるように、上がった人以外が分割して払う。親は、自分が上がった時は子の1.5倍の点を得ることができるが、他人がロン以外で上がった時は子の倍を支払う必要がある。

山札がなくなっても、誰もアガれない場合は流局となり、チップのやりとりは発生しない。

ゲームの終了

[編集]

2回目以降のプレイでは、前回親が勝った場合、その人が連続して親になる(連荘)。子が勝つか、流局になった場合は、時計回りに次の人が親になる。

すべての人が2回親になり終わるか、誰かのチップがなくなったらゲームの終了になる。

麻雀との違い

[編集]

共通

[編集]
  • 人数は2人から4人、いずれも一荘戦。つまり東1局から北4局までプレイする。
  • 親のあがりで積み点なし。
  • 点数のやり取りは、麻雀における点棒の代わりにプラスチック製の「チップ」を使用する。
  • メンゼンテンパイした場合は、リーチしなければロン上がりが出来ない(リーチなしのロン上がりを認めるローカルルールもある)。ただしツモ上がりはリーチをした・しないに関わらず認められる。
  • カンはなし。
  • フリテンはなし。
  • 流局で点のやり取りはない。
  • ドラは設定しない。ただし、ドンジャラでは現物で設定するローカルルールもある。
  • 誰かがハコ、すなわち持ち点がなくなったら終了。

ポンジャン

[編集]
  • 牌は「船」「自動車」「飛行機」の3種類の絵柄で、各絵柄に赤、黒、青と色の異なるものが9枚ずつ、計81枚を使用する。なお壁牌を作る際、奇数なので1枚牌が余るが、これは卓の中央に置かれ親の第一ツモ牌となる。
  • 以下の計11種類の役がある(カッコ内は点数)。
    • 3色9種(親6点・子3点):絵柄も色も違う9枚の牌を揃える
    • ポンジャン(親6点・子3点):絵柄・色は任意でセットを3つ作る
    • 3色(親10点・子5点):絵柄は任意、赤・黒・青の3色でセットを3つ作る
    • 3種(親10点・子5点):色は任意、船・自動車・飛行機の3種でセットを3つ作る
    • 6連(親30点・子15点):同じ絵柄・色を6枚揃え、任意のセットを1つ作る
    • 3種3色(親30点・子15点):絵柄も色もそれぞれ異なるセットを3つ作る
    • 1種3色(親60点・子30点):同じ絵柄の赤・黒・青の3色でセットを3つ作る
    • 3種1色(親60点・子30点):同じ色の船・自動車・飛行機の3種でセットを3つ作る
    • 1色6連(親60点・子30点):同じ絵柄・色を6枚揃え、それらと同じ色で任意の絵柄のセットを1つ作る
    • 1種6連(親80点・子40点):同じ絵柄・色を6枚揃え、それらと同じ絵柄で任意の色のセットを1つ作る
    • 1色9連(親200点・子100点):同じ絵柄・色を9枚揃える

ドンジャラ

[編集]
  • 同じ絵柄(もしくは同じ属性)かつ同じ色(厳密に言えば絵柄の背景色)の牌が9個ずつの計81枚と、オールマイティーと呼ばれる牌を1枚(ローカルルールにおいては2枚の場合もあり)加えてゲームに使用する。オールマイティー牌はその名の通り、役を構成する際あらゆる牌の代わりに使用することが出来る(ただし、オールマイティー牌での副露やロン上がりは出来ない、テンパイ時にツモった時のみ有効、リーチ時それを捨てると役になる等のローカルルールもある)。
  • 「ポンジャン」と違い、こちらの牌には絵柄ごとに「10」「5」「1」という数字が記載されており、セットを完成させるとそれぞれ「10点」「5点」「1点」の点数がつく。
    • 例えば、「10」の絵柄で1セット、「5」の絵柄で1セット、「1」の絵柄で1セット作ってあがった場合、上がり点は10+5+1=16点となる。
    • バージョンによっては点数とは別に牌の通し番号(この番号は原則としてゲームには使用しない)が打たれているものがあるので、混同しないように注意が必要である。
  • ドンジャラにも役が存在し、ある条件を満たせば役として設定された点数がつく。基本的にはポンジャンと同じだが、点数は異なる。
    • 例えば上記の例の場合、3つのセット全て違う色で揃えれば「三色」という役になり20点、全て同じ色で揃えた場合は「同色3セット」という役になり50点となる。
    • 役の設定は「ポンジャン」より多く、牌に描かれたキャラクターならではの役なども存在する。

類似商品

[編集]

デジタル化商品

[編集]

電子ゲーム

[編集]
  • コンピュータードンジャラ
1983年にバンダイから発売されたLSIゲーム。コンピュータと1対1の対戦が行える。9種類の牌をLCDの表示パターンより王冠・眉毛・目玉・口髭のパーツの組み合わせで表現している。

コンピュータゲーム

[編集]

ポンジャンもしくはそれに類する物が収録されている、コンピュータゲームを以下に挙げる。

脚注

[編集]
  1. ^ 基本的に「リーチ」だが、呼び名は製品により異なる。
  2. ^ 小学館『幼稚園』1981年9月号懸賞

外部リンク

[編集]