トーマス・シュトゥルート
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トーマス・シュトゥルート(独: Thomas Struth、1954 - )は、ドイツ生まれの写真家。
物体の存在をコンセプチュアルに捉えるタイポロジーの手法を写真に応用するベッヒャー派第一世代のひとり。私的な見方を取り除いて、被写体が訴えかけるものをディテール豊かに撮影。1970 年代に撮影されたデュッセルドルフとニューヨークのストリートを撮影した「街路」シリーズ、家族のポートレートやモノクロ写真、名画と現代の観衆とを巧みに対比させたミュージアムフォトシリーズでよく知られ、現代社会を独自に把握し昇華した創作は、どれも現代アートとして高い評価を得ていった。1986年9月からは、ベルリンとニューヨークを行き来しながら活動。
来歴
[編集]デュッセルドルフ美術アカデミーでゲハルト・リヒターに絵画を、ベルント・ベッヒャーに写真を学ぶ[1]。
1976年にデュッセルドルフ美術アカデミーに写真科が新設され、絵画科から移籍する。ベルント・ベッヒャーは写真科の講師であった[2]。当時の街路へ厳密に中心遠近法の構図を適応する手法はベッヒャー夫妻の「タイポロジー(類型学的写真)」に影響を受けたと考えられている。
1980年代半ばには日本で家族ポートレートの連作を制作し、家族集団の力学を表現した[3]。1986年9月からはジャングルをモチーフとした作品「パラダイス」の制作を開始し、2002年1月時点で25点が制作されている。2000年には東京国立近代美術館で個展「トーマス・シュトゥルート:マイ・ポートレイト」が開催され、京都国立近代美術館に巡回した[4]。
2007年から2010年にかけて撮影したシリーズでは、物理学研究所、製薬工場、宇宙ステーション、造船所、原子力施設など、最先端の科学技術と人間の営みが交錯する場を精緻に記録。巨大なスケールと人間の存在との対比を通じて、現代文明の構造とその美学を浮かび上がらせている。
主な作品
[編集]- 「街路」(Unconscious Places)
- 「肖像」
- 「美術館」
- 「風景」
- 「花」
- 「パラダイス」 1988年
- 『嶋田家、山口 1986年』1986年
- 『渋谷交差点、東京』1991年
脚注
[編集]- ^ “Struth, Thomas トーマス・シュトゥルート”. shelf. 2023年9月30日閲覧。
- ^ 鷲田めるろ (2002). “トーマス・シュトルート「パラダイス」”. アール:金沢21世紀美術館研究紀要 (1): 76-80.
- ^ 『時代のプリズム 日本で生まれた芸術表現 1989-2010』平凡社、2025年、23頁。
- ^ “企画展「トーマス・シュトゥルート:マイ・ポートレイト」開催概要”. 東京国立近代美術館. 2025年12月5日閲覧。