ディア・スッカリ

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ディア・スッカリ(Dia Succari)1938年7月30日 - 2010年12月3日)は、シリアで生まれ、主にフランスで活躍した作曲家。

生涯[編集]

ディア・スッカリはシリアのアレッポに生まれ、父から音楽の手ほどきを受け、ミハイル・ボリセンコ(Mikhaïl Boricenko)にも師事した。 13歳の時、彼はパリ音楽院に留学し、アンリ・シャランから和声を、ノエル・ギャロンから対位法を、マルセル・ビッチュジャニーヌ・リュエフから音楽理論を、トニー・オーバンオリヴィエ・メシアンから作曲を、ロベール・ブロフランス語版マヌエル・ローゼンタールから指揮を学んだ。

彼は作曲家としてのみならず、指揮者としても活躍したほか、教育者としても熱心であった。ダマスカスサン・ドニシュレンヌパリなどの音楽学校で教鞭をとったほか、和声や対位法などについての教則本なども執筆した。

ディア・スッカリの作品は、ピアノハープ管楽器のための作品から、室内楽合唱オーケストラのための作品まで、多岐にわたる。彼の音楽の特徴は、伝統的なアラビア音楽の旋律(マカーム)、拍子などをその作品に取り入れ、西洋音楽的な書法との融合により昇華させている点にある[1]。彼は単なるアラビア音楽の模倣にとどまることなく、新たな世界を切り開いた [2] 。また和声や書法からは、フランスで活躍したドビュッシーラヴェルフォーレなどの影響が見て取れる[1]

主要作品[編集]

管弦楽曲[編集]

  • 忘れられた輝き Forgotten splendours
  • ヤクザ Yakza (伝統楽器,声楽,オーケストラ)

室内楽曲[編集]

  • Rêve (ハープ独奏)
  • 月の微笑み Sourire de lune (ハープ独奏)
  • 前奏曲 Prelude (フルート,ピアノ)
  • シシリエンヌ Sicilienne (フルート,ピアノ)
  • 小ワルツ Petite Valse (フルート,ピアノ)
  • 三重奏曲 Trio (ピアノ,ヴァイオリン,チェロ)
  • ウル・ナンシェ Ur Nina (声楽,クラリネット,ピアノ)

ピアノ曲[編集]

  • 運命の夜 La Nuit du Destin
  • シリア組曲 Suite Syrienne
  • ソナチネ Sonatine
  • ソナチネ第2番 Sonatine n°2
  • ピアノソナタ第2番 Sonate n°2
  • 民謡による変奏曲 Variations sur une chanson populaire

出典[編集]

  1. ^ a b DIA SUCCARI 1938-2010”. 2017年5月8日閲覧。
  2. ^ Dia Succali”. Brunel Institute for Contemporary Middle Eastern Music. 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年5月8日閲覧。

外部リンク[編集]