ツール・ド・フランス1981

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第68回 ツール・ド・フランス 1981
全行程 22区間, 3756 km
総合優勝 ベルナール・イノー 96時間19分38秒
2位 ルシアン・バンインプ +14分34秒
3位 ロベール・アルバン +17分04秒
4位 ヨープ・ズートメルク +18分21秒
5位 ペーター・ウィネン +20分26秒
ポイント賞 フレディ・マルテンス 428ポイント
2位 ウィリアム・タッカート 222ポイント
3位 ベルナール・イノー 184ポイント
山岳賞 ルシアン・バンインプ 284ポイント
2位 ベルナール・イノー 222ポイント
3位 ジャンレネ・ベルノードー 168ポイント

ツール・ド・フランス1981は、ツール・ド・フランスとしては68回目の大会。1981年6月25日から7月19日まで、全22ステージで行われた。

みどころ[編集]

昨年、無念のリタイアを余儀なくされたベルナール・イノーだが、その後、地元フランスで行われた世界自転車選手権を制し、当年に入っても、フランス人として25年ぶりにパリ〜ルーベを制するなど、ワンデーレースでの活躍ぶりが目立っていた。当年の目標はもちろんマイヨ・ジョーヌ奪回。

対して、前年悲願のツール総合優勝を果たしたヨープ・ズートメルクルシアン・バンインプのベテラン勢が挑むが、若手勢の活躍も期待された。

今大会の概要[編集]

プロローグを制し、一旦マイヨ・ジョーヌから離れるも、第6ステージの個人タイムトライアルを制したイノーがマイヨを奪回。しかし23歳のフィル・アンダーソンが頑張って、第13ステージまでイノーに57秒差で続く総合2位。そして今大会は第14ステージまでは平坦区間ということもあってか、フレディ・マルテンスがことごとく区間優勝をさらい、ここまで5勝する。

しかしピレネーステージを翌日に控えた第14ステージの個人タイムトライアルで、イノーはアンダーソンに2分1秒の差をつけ区間制覇。総合でもアンダーソンに2分58秒の差をつける。

第16ステージからはアルプスステージに入る。ここから4連続山岳ステージとなり、今大会の最大のヤマ場を迎えた。第16ステージ。イノーは苦しみながらも、ズートメルクやバンインプらとともに4位集団でゴールしたのに対し、アンダーソンはこの区間だけでイノーに4分41秒の差をつけられ、総合2位はキープするも、イノーに7分39秒差をつけられる。そして、バンインプが9分38秒差の総合3位、ズートメルクが10分43秒差の同5位に浮上してきた。

第17ステージのラルプ・デュエズ。イノーは区間優勝のペーター・ウィネンに8秒差の区間2位、イノーにほぼ並んでバンインプが区間3位に入るが、ズートメルクはイノーに遅れること1分53秒差をつけられ、総合でもイノーに12分36秒差となったことから、連覇は厳しくなった。また、アンダーソンはこの区間でイノーに遅れること16分58秒。区間44位と惨敗し、完全に圏外へと去った。

そして第18ステージ。イノーはバンインプに対して2分33秒の差をつけ堂々の区間制覇。総合でもバンインプに12分12秒差をつけ、今大会はほぼここで決着がついた形となった。

イノーは第20ステージの個人タイムトライアルも制し、今大会はなんと個人タイムトライアル全勝。3度目の総合優勝に華を添えた。また最終ステージはマルテンスが制し、今大会6勝を挙げた。

総合成績[編集]

順位 選手名 国籍 チーム 時間
1 ベルナール・イノー フランスの旗 フランス ルノー・ジタン 96h 19' 38"
2 ルシアン・バンインプ ベルギーの旗 ベルギー 14' 34"
3 ロベール・アルバン フランスの旗 フランス 17' 04"
4 ヨープ・ズートメルク オランダの旗 オランダ 18' 21"
5 ペーター・ウィネン オランダの旗 オランダ 20' 26"
6 ジャンルネ・ベルノードー フランスの旗 フランス 23' 02"
7 ヨハン・デミュインク ベルギーの旗 ベルギー 24' 25"
8 スヴァ=アケ・ニルソン  スウェーデン 24' 37"
9 クロード・クリケリオン ベルギーの旗 ベルギー 26' 18"
10 フィル・アンダーソン オーストラリアの旗 オーストラリア 27' 00"

マイヨ・ジョーヌ保持者[編集]

選手名 国籍 首位区間
ベルナール・イノー フランスの旗 フランス プロローグ-第1、第7-最終
ヘリー・クネットマン オランダの旗 オランダ 第2-第5
フィル・アンダーソン オーストラリアの旗 オーストラリア 第6

外部リンク[編集]