ダニエル・ノボア

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ダニエル・ロイ・ヒルクリスト・ノボア・アシン
Daniel Roy Gilchrist Noboa Azín
2022年3月24日撮影
エクアドルの旗 エクアドル大統領
就任
2023年11月23日
副大統領ベロニカ・アバド
前任者ギジェルモ・ラソ
個人情報
生誕 (1987-11-30) 1987年11月30日(36歳)
エクアドルの旗 エクアドルグアヤキル
政党国家民主行動英語版
配偶者ガブリエラ・ゴールドバウム(2017年-2019年、離婚)
ラビニア・バルボネシ英語版(2021年-現在)
出身校ハーバード大学ケネディ・スクール
ジョージ・ワシントン大学

ダニエル・ロイ・ヒルクリスト・ノボア・アシンスペイン語: Daniel Roy Gilchrist Noboa Azín1987年11月30日 - )は、エクアドル政治家実業家。現在、同国大統領(第46代)。

経歴[編集]

生い立ち[編集]

1987年、エクアドルの最大都市グアヤキル出身。父親はバナナの輸出業などで巨万の富を築き『バナナ王』とも呼ばれた、エクアドル有数の実業家アルバロ・ノボア英語版。父アルバロは実業家としては成功したものの、5度の大統領選挙への挑戦はいずれも落選に終わった[1]

実業家として[編集]

18歳の時にイベント企業を起業。その後、父アルバロが率いている巨大企業グループで海運や営業部門の幹部に就き[1]、また約20にも及ぶ同族企業の株を保有するなど実業界での経験は豊富[2]。またアメリカ合衆国ハーバード大学ケネディ・スクールジョージ・ワシントン大学の大学院など3つの大学院で行政学や政治学の修士号を取得している[1][2]

2021年6月、ゴールドバウムが離婚手続き中に使用したデータに対するプライバシー侵害と秘密漏洩の容疑が疑われている同国の保険会社「マップフレ」を調査するため、ノボアがスペインの裁判所に提出した訴状が認められた[3]

政治家として[編集]

2021年に国会議員に当選し、経済開発委員長などを務めた[1]。2023年5月17日、ギジェルモ・ラソ大統領が弾劾手続きを回避するため国会を解散し、大統領選挙英語版も繰り上げ実施されることとなり[4][5]、ノボアは立候補を表明する。政界での手腕は未知数だったが、出馬した理由については国家運営が現状うまくいっておらず、自分の夢が国を助けることであるからだと表現している[1]。当初は泡沫候補とも目されていたが、既存政治からの変革を求める若者から支持を得ることに成功し、8月20日の第1回目投票ではルイーサ・ゴンサレス英語版の後塵を拝し2位であったが10月15日の決選投票では51.83%を獲得し、48.17%にとどまったゴンサレスに逆転当選した[1][6][7]。35歳での大統領当選はエクアドル史上最年少である。勝利宣言の演説では、暴力や汚職、憎悪によって深刻な打撃を受けたこの国を再建するための仕事を始めると述べた[8]。前倒し選挙のためノボアの任期はラソ前大統領の残り任期である2025年5月までの約1年5か月しかなく、通常は3選禁止であるがノボアの場合はあと2回の再選が可能である[8][9][10]。11月23日に大統領に就任[11]

大統領任期中[編集]

2024年1月7日刑務所に服役していた犯罪組織のリーダーが脱獄したことを契機に、国内で複数の爆発、警官の拉致、刑務所内の騒乱、テレビ局の占拠が相次いで発生。大統領として国内が武力衝突状態にあると宣言し、治安部隊に対して複数の犯罪組織の無効化を指示した[12]

政策[編集]

政治思想は右派に分類され[13]、保守的な政治家などから支持を得る[1]

2023年の大統領選挙では中小企業の活性化や、外国からの投資を呼び込むことで若者の雇用機会を創出するといった経済成長を公約に掲げた[6]。このほか選挙中の8月には立候補者のフェルナンド・ビジャビセンシオ英語版が殺害される事件が発生したことから治安対策も主要な争点に浮上しており、ITを活用した犯罪対策など治安回復も訴えた[8]ほか、腐敗防止も公約に掲げた[14]

人物[編集]

友人からは多様性を尊重するタイプであると評される[1]

夜明け前には起床して運動することが日課[1]

愛犬家であり、犬を7匹飼っている[1]

家族[編集]

再婚しており、前妻のガブリエラ・ゴールドバウムとの間に1女がいる。現在の妻は栄養専門家でSNSフォロワー数30万人を誇るラビニア・バルボネシ英語版で、1男をもうけている。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j “「バナナ王」の息子、ダニエル・ノボア氏 エクアドル大統領選で初当選”. 毎日新聞. (2023年10月16日). https://mainichi.jp/articles/20231016/k00/00m/030/290000c 2023年10月18日閲覧。 
  2. ^ a b プロフィル・ダニエル ノボア『読売新聞』2023年10月17日朝刊、7面
  3. ^ マハダオンダの裁判官、実業家との離婚でデータの秘密保持に違反したとしてマフレ氏を捜査”. magazin.com. 2023年11月24日閲覧。
  4. ^ “エクアドル、国会解散 大統領選も実施へ”. 時事通信. (2023年5月18日). https://www.jiji.com/amp/article?k=2023051800012 2023年5月19日閲覧。 
  5. ^ “エクアドル大統領、議会解散と選挙前倒しを発表 罷免要求高まる中で”. 毎日新聞. (2023年5月18日). https://mainichi.jp/articles/20230518/k00/00m/030/049000c 2023年5月19日閲覧。 
  6. ^ a b “Daniel Noboa elected Ecuador's youngest president”. BBC News. BBC. (2023年10月16日). https://www.bbc.co.uk/news/world-latin-america-67119415 2023年10月18日閲覧。 
  7. ^ “Daniel Noboa, 35, Wins Ecuador’s Presidential Election”. Havana Times. (2023年10月16日). https://havanatimes.org/features/daniel-noboa-35-wins-ecuadors-presidential-election/ 2023年10月25日閲覧。 
  8. ^ a b c “エクアドル「バナナ王」の息子35歳、大統領選で初当選 課題は治安”. 朝日新聞. (2023年10月17日). https://www.asahi.com/articles/ASRBJ75TFRBJUHBI00W.html 2023年10月18日閲覧。 
  9. ^ “エクアドル大統領選、右派ノボア氏が勝利 国の再建表明”. ロイター. (2023年10月16日). https://jp.reuters.com/world/FI5MVBNWVNKINP7PUOJHAZPMJI-2023-10-16/ 2023年10月18日閲覧。 
  10. ^ “Banana fortune heir Daniel Noboa wins Ecuador presidential election”. The Guardian. ガーディアン. (2023年10月16日). https://www.theguardian.com/world/2023/oct/16/daniel-noboa-wins-ecuador-presidential-election 2023年10月18日閲覧。 
  11. ^ “Daniel Noboa asume la presidencia en Ecuador por un año y medio: para qué sirve un gobierno tan corto”. BBC News. BBC. (2023年11月23日). https://www.bbc.com/mundo/articles/c7291r4xxneo 2023年11月24日閲覧。 
  12. ^ 生放送中のテレビ、武装した男らが乗っ取り エクアドル大統領が「国内の武力衝突」宣言”. CNN (2024年1月11日). 2024年1月16日閲覧。
  13. ^ “エクアドル大統領選、右派のダニエル・ノボア氏が当選”. bloomberg.co.jp. ブルームバーグ. (2023年10月16日). https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-10-16/S2LKL8T1UM0W01 2023年10月18日閲覧。 
  14. ^ “35歳のノボア氏、エクアドル次期大統領に”. CNN.co.jp. CNN. (2023年10月16日). https://www.cnn.co.jp/world/35210308.html 2023年10月18日閲覧。 


公職
先代
ギジェルモ・ラソ
エクアドルの旗 エクアドル共和国大統領
第46代:2023 -
次代
(現職)