ダイ・ビューティフル

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ダイ・ビューティフル
Die Beautiful
監督 ジュン・ロブレス・ラナ英語版
脚本 ロディ・ベラ
製作 ジュン・ロブレス・ラナ
フェルディナンド・ラプス
ペルシ・M・インタラン
出演者
音楽 リチャード・ゴンサレス
撮影 カルロ・メンドーサ
編集 ベンジャミン・トレンティーノ
配給 日本の旗 ココロヲ・動かす・映画社
公開 2016年10月27日東京
2016年12月25日(マニラ)
上映時間 120分
製作国 フィリピンの旗 フィリピン
言語 フィリピン語
製作費 1,500万フィリピンペソ
興行収入 11,000万フィリピンペソ
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ダイ・ビューティフル』(Die Beautiful)は、フィリピンコメディドラマ映画。監督はジュン・ロブレス・ラナ英語版。主演はパオロ・バリェステロス英語版。2016年10月27日の東京国際映画祭でプレミア上映され[1]、同年のメトロ・マニラ映画祭英語版にも正式出品された[2]

プロット[編集]

急死したトランスジェンダーの女性トリシャの人生を描いたフィクション作品である[3]。トリシャは死化粧の遺言を残しており、ビヨンセ風、ジュリア・ロバーツ風、レディ・ガガ風など、さまざまな死化粧を施して棺に横たわるトリシャのもとに関係のあった人々が訪れる[4]。トリシャはトランスジェンダーへの偏見や差別にあがらい、誇り高く生きた女性だった[4]

出演者[編集]

製作[編集]

香港の香港亜洲電影投資会(HAF)が製作費を提供し、フィリピンのリーガル・エンタテインメント英語版、ザ・イデアファースト・カンパニー、オクトーバートレイン・フィルムズが製作会社となった[6]ジュン・ロブレス・ラナ英語版が監督を務めた。リリー・モンテベルデ、ロセリェ・モンテベルデ、ペルシ・インタランがプロデューサーを務めた[2][7][8]。ラナ監督が原案を作成して資金集めを行ったが、最終的な脚本は著名な脚本家であるロディ・ベラが担当している。

ラナ監督はフィリピンでも人気のある映画監督のひとりであり、2012年には『ブワカウ』がアカデミー外国語映画賞フィリピン代表作品に選ばれている[3]。また、ロシアのパシフィック・メリディアン英語版(ウラジオストク国際映画祭)、インドのケーララ国際映画祭英語版などでも受賞経験がある[3]。本作は2014年10月にフィリピンでアメリカ海兵隊員がトランスジェンダーの女性を殺害した事件(ジェニファー・ロード事件英語版)に着想を得ている[9][3]

ジェニファー・ロード事件後には、SNSなどでトランスジェンダーに対する偏見に満ちた意見が多数出され、ラナ監督はトランスジェンダーへの理解を深めるために本作の製作に至った[9]。ラナ監督は娯楽性の高い作品を製作することも多いが、本作は娯楽性よりも個人的な思いを強く込めた作品である[9]。なお、本作でトランスジェンダーを演じている俳優は全員がストレート(異性愛者)である[9]

公開[編集]

東京国際映画祭で主演男優賞を受賞したバリェステロス

2016年10月には第29回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品され[10][11]、10月27日にプレミア上映された。東京国際映画祭では観客賞と主演男優賞(パオロ・バリェステロス英語版)を受賞した[12][13][3]。東京国際映画祭における審査委員長はフランスのジャン=ジャック・ベネックスであり、その他の審査員は日本の平山秀幸、イタリアのヴァレリオ・マスタンドレア、アメリカ合衆国のニコール・ロックリン英語版、香港のメイベル・チャンだった。コンペティション部門には16作品が出品されており、『ダイ・ビューティフル』は唯一のフィリピン映画だった。なお、ラナ監督は2013年の第26回東京国際映画祭に出品した『ある理髪師の物語』でも主演女優賞を獲得していた[3]

2016年12月にはフィリピンの二大映画祭のひとつであるメトロ・マニラ映画祭英語版のコンペティション部門に出品され、主演男優賞と助演男優賞と観客賞とFloat賞を受賞した[14][15]。メトロ・マニラ映画祭ではエリック・マッティ英語版監督のホラー映画『Seklusyon』が8部門で受賞しており、『ダイ・ビューティフル』の4部門受賞は『Sunday Beauty Queen』と並んで2位タイだった。

日本ではココロヲ・動かす・映画社が配給している。2017年7月22日には日本で劇場公開され、東京都・新宿のシネマカリテ、名古屋市のセンチュリーシネマ、大阪市のシネマート心斎橋、仙台市のフォーラム仙台、横浜市のシネマ・ジャック&ベティ、大分市のシネマ5、長野市の長野千石劇場、愛知県刈谷市の刈谷日劇など全国17館で公開されている[16]

受賞とノミネート[編集]

部門 対象者 結果
2016 東京国際映画祭[17] 観客賞 受賞
主演男優賞 パオロ・バリェステロス英語版 受賞
ケーララ国際映画祭英語版[18] 審査員特別賞 受賞
メトロ・マニラ映画祭英語版[19] 作品賞 ノミネート
監督賞 ジュン・ロブレス・ラナ英語版 ノミネート
主演男優賞 パオロ・バリェステロス英語版 受賞
助演男優賞 クリスティアン・バブレス英語版 受賞
助演男優賞 グラディス・レジェス英語版 ノミネート
キャスト賞 ノミネート
脚本賞 ロディ・ベラ ノミネート
プロダクション・デザイン賞 エンジェル・ディエスタ ノミネート
Float賞 受賞
観客賞 受賞
2017 フィリピン映画振興評議会賞[20] 映画大使賞 パオロ・バリェステロス
ジュン・ロブレス・ラナ
受賞
ガワッド・タングロー賞[21] 主演男優賞 パオロ・バリェステロス英語版 受賞
教育者・指導者・学生協会賞[22] 受賞
ガワッド・ベディスタ賞[23] 映画主演男優賞 受賞
GMMSF興行収入エンタメ賞[24] 国際功労賞 受賞
エディーズ賞[25] 主演男優賞 受賞
編集賞 受賞
プロダクション・デザイン賞 受賞
ガワッド・ウリアン賞英語版[26] 主演男優賞 パオロ・バリェステロス英語版 受賞
助演男優賞 クリスティアン・バブレス英語版 受賞
プロダクション・デザイン賞 エンジェル・ディエスタ ノミネート
編集賞 ベンジャミン・トレンティーノ ノミネート
PMPCスター賞 映画作品賞 受賞
映画監督賞 ジュン・ロブレス・ラナ英語版 受賞
映画主演男優賞 パオロ・バリェステロス英語版 ノミネート
映画助演男優賞 クリスティアン・バブレス英語版 ノミネート
映画新人男優賞 ノミネート
映画脚本賞 ロディ・ベラ 受賞
映画撮影賞 カルロ・メンドーサ 受賞
映画プロダクション・デザイン賞 エンジェル・ディエスタ ノミネート
映画編集賞 ベンジャミン・トレンティーノ 受賞
映画作曲賞 リチャード・ゴンサレス ノミネート
映画音響賞 アルマンド・デ・グスマン
ランベルト・カサス・Jr.
ノミネート
2018 パラガラ中部ルソンメディア賞[27] 作品賞 受賞
主演男優賞 パオロ・バリェステロス英語版 受賞

脚注[編集]

  1. ^ “Paolo Ballesteros' Angelina Jolie Transformation In Tokyo Filmfest Red Carpet”. International Business Times PH. (2016年10月27日). http://www.ibtimes.ph/paolo-ballesteros-angelina-jolie-transformation-tokyo-filmfest-red-carpet-japan-4587 2016年11月4日閲覧。 
  2. ^ a b Calderon, Ricky (2016年8月8日). “Paolo Ballesteros stars in 2 upcoming films”. philstar.com. The Freeman (The Philippine Star). http://www.philstar.com/cebu-entertainment/2016/07/08/1600589/paolo-ballesteros-stars-2-upcoming-films 2016年8月23日閲覧。 
  3. ^ a b c d e f 第29回東京国際映画祭、観客賞は美しきトランスジェンダーの半生描くフィリピン映画”. 映画.com (2016年11月3日). 2018年11月23日閲覧。
  4. ^ a b About the Movie”. 『ダイ・ビューティフル』公式サイト. 2018年11月26日閲覧。
  5. ^ IN PHOTOS: Paolo Ballesteros as a transwoman in 'Die Beautiful'”. GMA Network Portal. GMA Network (2016年7月12日). 2016年8月23日閲覧。
  6. ^ Dabu, Bianca Rose (2015年3月2日). “Paolo Ballesteros to star as transgender woman in indie film”. GMA News Online. GMA News (GMA Network, Inc.). http://www.gmanetwork.com/news/story/445093/showbiz/chikaminute/paolo-ballesteros-to-star-as-transgender-woman-in-indie-film 2016年8月23日閲覧。 
  7. ^ “LOOK: Paolo Ballesteros bares ‘boobs’ for upcoming film”. Philippine Daily Inquirer. (2016年7月5日). http://entertainment.inquirer.net/197008/look-paolo-ballesteros-unmasks-boobs-for-upcoming-film 2016年8月23日閲覧。 
  8. ^ Paolo Ballesteros bares prosthetic boobs for Die Beautiful”. Philippine Entertainment Portal. 2016年8月23日閲覧。
  9. ^ a b c d フィリピンの人気監督が実際に起こったトランスジェンダー殺害事件を映画化するに至った理由”. 映画.com (2016年10月31日). 2018年11月23日閲覧。
  10. ^ “PH film 'Die Beautiful' to compete in Tokyo Film Festival”. Rappler. http://www.rappler.com/entertainment/news/147487-paolo-ballesteros-film-die-beautiful-compete-tokyo-film-festival 2016年10月27日閲覧。 
  11. ^ Sallan, Edwin P.. “Jun Lana’s ‘Die Beautiful’ premieres at Tokyo International Film Festival” (英語). InterAksyon.com. http://www.interaksyon.com/entertainment/jun-lanas-die-beautiful-premieres-at-tokyo-international-film-festival/ 2016年10月27日閲覧。 
  12. ^ News, ABS-CBN. “Paolo Ballesteros wins Best Actor at Tokyo film fest” (英語). ABS-CBN News. http://news.abs-cbn.com/entertainment/11/03/16/paolo-ballesteros-wins-best-actor-at-tokyo-film-fest 2016年11月4日閲覧。 
  13. ^ “Paolo Ballesteros wins Best Actor at Tokyo film fest, accepts award as 'Julia Roberts'”. Rappler. http://www.rappler.com/entertainment/news/151204-paolo-ballesteros-wins-best-actor-tokyo-international-film-festival-julia-roberts 2016年11月4日閲覧。 
  14. ^ FULL LIST: Winners, MMFF 2016 Gabi ng Parangal”. Rappler (2016年12月29日). 2016年12月29日閲覧。
  15. ^ MMFF: Sunday Beauty Queen wins Best Picture, Seklusyon bags 8 awards”. BusinessWorld (2016年12月30日). 2016年12月30日閲覧。
  16. ^ 劇場情報”. 『ダイ・ビューティフル』公式サイト. 2018年11月23日閲覧。
  17. ^ “Paolo Ballesteros wins Best Actor in Tokyo International Film Festival”. gmanetwork.com (GMA News Online). (2016年11月3日). http://www.gmanetwork.com/news/story/587364/lifestyle/artandculture/paolo-ballesteros-wins-best-actor-in-tokyo-international-film-festival 2016年12月30日閲覧。 
  18. ^ “Paolo Ballesteros wins another int’l award for ‘Die Beautiful’”. inquirer.net (Philippine Daily Inquirer). (2016年12月19日). https://entertainment.inquirer.net/209906/paolo-ballesteros-wins-another-intl-award-for-die-beautiful 2016年12月29日閲覧。 
  19. ^ “MMFF 2016 winners revealed: Paolo Ballesteros, Irma Adlawan named Best Actor and Best Actress”. pep.ph (Philippine Entertainment Portal). (2016年12月29日). http://www.pep.ph/guide/mmff/25300/mmff-2016-winners-revealed-paolo-ballesteros-irma-adlawan-named-best-actor-and-best-actress?ref=home_feed_1 2016年12月29日閲覧。 
  20. ^ “FDCP honors film ambassadors”. bworldonline.com (BusinessWorld). http://www.bworldonline.com/content.php?section=Arts&Leisure&title=fdcp-honors-film-ambassadors&id=140194 2017年2月7日閲覧。 
  21. ^ “Charo Santos, Jaclyn Jose,Paolo Ballesteros at Allen Dizon, big winners at the 15thGawad Tanglaw”. push.abs-cbn.com (ABS-CBN). http://push.abs-cbn.com/features/77545/charo-santos-jaclyn-jose-paolo-ballesteros-at-allen-dizon-big-winners-at-the-15thgawad-tanglaw/ 2017年2月9日閲覧。 
  22. ^ “Paolo nakatanggap ng 4 bagong award para sa ‘Die Beautiful’”. Bandera. http://bandera.inquirer.net/144035/paolo-nakatanggap-ng-4-bagong-award-para-sa-die-beautiful 2017年2月7日閲覧。 
  23. ^ “Paolo recently won the Actor of the Year award in the Gawad Bedista”. gmanetwork.com (GMA Network). http://www.gmanetwork.com/entertainment/showbiznews/news/29022/dabarkad-paolo-ballesteros-bedridden-matapos-mahilo/story/ 2017年2月23日閲覧。 
  24. ^ Kapuso program and stars, wagi sa 48th Box Office Entertainment Awards”. GMA Network, Inc. (2017年4月23日). 2017年4月25日閲覧。
  25. ^ Vilma, Paolo top entertainment editors’ choices”. Philippine Daily Inquirer (2017年7月12日). 2017年7月19日閲覧。
  26. ^ FULL LIST: Winners, Gawad Urian Awards 2017”. Rappler (2017年7月20日). 2017年7月21日閲覧。
  27. ^ Mga Kapuso, wagi sa 5th Holy Angel University Paragala Central Luzon Media Awards”. GMA News (2018年3月12日). 2018年3月13日閲覧。

外部リンク[編集]