スタテンアイランド鉄道

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スタテンアイランド鉄道
Staten Island Railway
シンボルマーク
SIRの列車
SIRの列車
基本情報
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
所在地 ニューヨークスタテンアイランド
種類 都市鉄道
起点 トッテンヴィル駅
終点 セント・ジョージ駅
駅数 22
開業 1860年
所有者 ニューヨーク州都市交通局
運営者 Staten Island Rapid Transit Operating Authority
路線諸元
路線距離 14 マイル (22 km)
軌間 1,435 mm (標準軌)
電化方式 直流600V 第三軌条方式
路線図
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スタテンアイランド鉄道 (スタテンアイランドてつどう、: Staten Island Railway) は、アメリカ合衆国ニューヨーク近郊の島である、スタテンアイランドを走る鉄道路線。略称はSIR

しばしばその鉄道を運営する会社を指すこともあるが、正式な会社名はStaten Island Rapid Transit Operating Authorityと言い、ニューヨーク近郊の通勤鉄道路線バスなどを運営するメトロポリタン・トランスポーテーション・オーソリティ (Metropolitan Transportation Authority, MTA) の傘下にある。

SIRはニューヨーク市地下鉄で使われているR44型車両の亜種を所持しており使用している。また、乗客は地下鉄路線を自由に乗れ、また地下鉄の路線図にはSIRも含まれている。路線は島の外へは通じておらず、他の鉄道も乗り入れていないので、SIRに乗車した通勤客は大抵は島の北側からフェリーに乗り換えてマンハッタンへ向かう。

SIRは各駅停車限定で24時間運行を行う。急行列車は平日朝夕の南北行き双方向、夕方の南行(トッテンビル方面)に対して設定されている。

歴史[編集]

路線の開業[編集]

現在のSIRの最初の路線は1860年に開業した。当初はフェリーの乗り換え駅のトムキンスビル (Tomkinsville) から現在島の南部のターミナル駅であるトッテンビル (Tottenville) までであった。そのころボルチモア・アンド・オハイオ鉄道 (Baltimore and Ohio Railroad, B&O) はニューヨーク市街地での旅客と貨物の路線を開発しようとしていた。彼らはニュージャージへつながっていないこの小さい鉄道、SIRを購入した。強力な後ろ盾が出来たことで、トムキンスビル (Tomkinsville) から先北方への延伸が進んだ。B&Oは複線化や硬い岩盤におけるトンネルの建設を支援した。こうして路線は一駅延伸し、島の北東部の角に達した。周辺一帯の地域は島の弁護士の名声に由来したセント・ジョージ (St.George) へと改名され、新設された駅にも同じ名がつけられた。新駅にはマンハッタンとを結ぶ、巨大フェリーターミナル、車両基地、車両移動用の浮き桟橋が設けられた。

1924年8月には島内の3つの旅客路線で電化工事が始まった。

車両[編集]

スタテンアイランド鉄道で使用されている車両はR44のみである。また、2020年頃から新型車両に置き換える計画がある。

料金[編集]

SIRの運賃制度は独特であり、料金を払う必要があるのはセント・ジョージ駅 (St.George)かその隣、トムキンスビル駅 (Tomskinville) で乗降する場合のみであり、2.25ドルを支払う。逆に乗車駅・降車駅がともにこれらの駅以外である場合は運賃は無料である。1997年以前はいくつかの駅を一つにまとめたゾーン制[1]を適用していた。ただし、このゾーンは全線にわたり一つであり、実質的には全線均一運賃であった[2]

運賃の支払いには現金のほかにMTAの発行するプリペイドカードであるメトロカードが使用できる

計画されている事柄[編集]

駅一覧[編集]

凡例
全時間帯停車
廃止
駅名 バリアフリー・アクセス 接続
スタテンアイランド
セント・ジョージ駅 バリアフリー・アクセス スタテンアイランド・フェリー
トンプキンスヴィル駅
ステープルトン駅
クリフトン駅
グラスミア駅
オールド・タウン駅
ドンガン・ヒルズ駅 バリアフリー・アクセス
ジェファーソン・アベニュー駅
グラント・シティ駅
ニュー・ドープ駅
オークウッド・ハイツ駅
ベイ・テラス駅
グレート・キルズ駅 バリアフリー・アクセス
エルティングヴィル駅
アナデール駅
ヒューゲナット駅
プリンセス・ベイ駅
プレザント・プレインズ
リッチモンド・バレー駅
ナッソー駅
アーサー・キル駅 バリアフリー・アクセス
アトランティック駅英語版
トッテンヴィル駅 バリアフリー・アクセス

脚注[編集]

  1. ^ MTA傘下の鉄道ではロングアイランド鉄道 (LIRR) やメトロノース鉄道がこの方式を採用
  2. ^ ニューヨーク周辺で均一運賃を採用するのは市営地下鉄が有名

参考文献[編集]

外部リンク[編集]