ジョウジ・ワシントン

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ジョウジ・ワシントン』は、谷譲次1925年大正14年)に発表した短編小説である。

あらすじ[編集]

ある秋の日、「私」は北米の人通りの多い街を歩いていた。職もなく、金も無くなっていたが、働く気はなかった。一際大きな人だかりを見つけると、水兵が巻煙草を勧めてきた。水兵が「私」が何人か聞いてきたので、でたらめで返した。海軍に入らないかと誘われ、面白そうなので話を聞くためにオフィスについて行くと、別の水兵が居て、出身を聞かれたのででたらめで返した。第一市民書が無いと入軍できないと追い返された。最後に名前を聞かれ、「ジョウジ・ワシントン」と答えた。外で最初の水兵に会い、巻煙草をくれないかと聞いた。

制作背景[編集]

谷譲次(長谷川海太郎)は文才と語学力に恵まれていた。港町函館の環境的影響を受け、1918年(大正7年)に渡米した。大学に通いながらコックなどの職に就いた。当時のアメリカの社会情勢を見聞し、社会批評眼を養った。その独自の視点が「めりけんじゃっぷ」ものに反映されている[1]。「ジョウジ・ワシントン」は1925年に発表された、谷の実体験である[2]

脚注[編集]

  1. ^ 特別展 林不忘 三つのペンネームを持つ作家 図録テキスト” (PDF). 鎌倉市教育委員会鎌倉文学館 (1992年6月12日). 2021年12月22日閲覧。
  2. ^ 谷譲次『一人三人全集III めりけんじゃっぷテキサス無宿』河出書房新社、1969年、p.391

関連項目[編集]