シムズの姿勢
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シムズの姿勢(シムズのしせい)、ないし、シムズの体位(シムズのたいい)、シムズ体位(シムズたいい、英語: Sims' position)は、19世紀アメリカ合衆国サウスカロライナ州の婦人科医 J・マリオン・シムズ (J. Marion Sims) に由来する[1]、直腸検査や、治療、浣腸などに用いられる姿勢[2]。患者(被験者)は身体の左側面を下にして横向きに寝て、左臀部と左脚をまっすぐに伸ばし、右臀部と右脚を曲げる。側臥位の一種である。
詳細な説明
[編集]この姿勢は以下のように説明される。
- 患者は左体側を下にして横たわる。
- 患者の左下肢はまっすぐ伸ばされる。
- 患者の右下肢は臀部で曲げられ、右脚は膝で曲げられる。曲げた膝はベッド上、ないしは、枕などの上に置き、安定させる。
ただし、両脚の膝を屈曲させる姿勢も、シムズの姿勢のひとつとして言及される場合がある[3]。
一般的に用いられる場合:
妊婦の安楽体位として
[編集]シムズの姿勢は、妊娠中期以降の妊婦の安楽体位としても用いられる。この場合は、しばしば、身体の下になる左腕を背中側に回すことが勧められる[4][5]。
昏睡体位として
[編集]→「回復体位」も参照
意識を失い、昏睡状態になった患者が、何らかの事情で気道閉塞を起こさないよう、気道を確保する方策として、シムズの姿勢をとらせることがあり、この場合は特に昏睡体位と称される[6]。昏睡体位の場合は、身体の左右いずれを下にすることもあり、また、身体の下側になる腕を上方に伸ばして、頭を支えるようにすることもある[7]。
脚注
[編集]- ^ 日本語では、シムズの名を「シムス」と読み、「シムスの姿勢」「シムスの体位」「シムス体位」などと記す場合もある。
- ^ “Patient positioning : Sim's position”. MoonDragon. 2012年8月27日閲覧。
- ^ 伊野英男. “あなどるなかれ! 直腸診” (PDF). 研修医通信 (45): p. 6 2014年3月30日閲覧. "左側 Sims 体位:左側臥位になり、両膝をしっかり抱えて肛門周囲をよく観察できるようにする"
- ^ 家庭医学館『妊娠中の日常の姿勢と動作』 - コトバンク
- ^ 有松 (2010年4月14日). “シムズの体位”. 誠和会 まごころ保育園. 2014年3月30日閲覧。
- ^ “昏睡体位”. 日本救急医学会. 2014年3月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月30日閲覧。
- ^ 遠藤泰弘. “昏睡体位(こんすいたいい)(一次救命手当)”. Jiscsoft Co.,Ltd & SUN-ART Co.,Ltd. 2014年3月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月30日閲覧。