サキシマハマボウ
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サキシマハマボウ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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サキシマハマボウの花
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分類(APG IV) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Thespesia populnea (L.) Sol. ex Corrêa | |||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
サキシマハマボウ(先島浜朴) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
portia tree, Pacific rosewood, Indian tulip tree, or milo |
サキシマハマボウ(先島浜朴、学名:Thespesia populnea[1])は、アオイ科サキシマハマボウ属の常緑高木。別名はトウユウナ、シマユウナ、ヤマユウナ、ウーハ[2][3][4]。また、ハワイでは「ミロ」(milo)と呼ばれる[5][6]。
特徴
[編集]高さ5–10 mになる常緑の小高木。枝はよく分岐して、樹皮は繊維質になる。
小枝と葉の下面その他に小形の帯褐色の鱗片を密布する。葉はオオハマボウより長いハート型[2]、広卵形~長楕円形~三角形で、長さは5–20 cm。革質で表面に光沢があり、オオハマボウと異なり葉先は鋭尖形[7]。全縁、掌状の7脈が目立つ[8][9]。葉裏はオオハマボウよりやや濃いめの淡緑色[2]。
花は長さ5–7 cm、オオハマボウに比べ淡い黄色の花弁が、閉じ気味の鐘状に開く[8]。花の内面基部は暗紫色となる。花はしぼむと桃色になる[2][10]。
果実(蒴果)はほぼ球形で、径2–4 cm、オオハマボウと異なり、熟しても開くことなく[2][6][8][9][10]、果実全体が落下する[2]。
街路樹や公園に植えられることも多い。
分布と生育環境
[編集]日本では沖永良部島、徳之島、沖縄島、及び先島諸島に分布[7][11]、国外ではそれ以南のアジア、アフリカ、ポリネシアの亜熱帯-熱帯地域に分布する[5]。
塩分に強く、海岸の砂泥地[7]やマングローブの最後部に自生する。内陸部でも栽培される[6]。
利用
[編集]用材(漁網の浮木、指物材)、海岸防護護岸林、街路樹に好適[3][4]。染料材[4](樹皮から黄色染料が得られる[3][12])。樹皮の繊維は縄索に利用され、飼料、緑肥にも用いられる[3]。花は食用になる[3]。
脚注
[編集]- ^ (米倉 & 梶田 2003)
- ^ a b c d e f (大川 & 林 2016, p. 268)
- ^ a b c d e (天野 1989, p. 196)
- ^ a b c (沖縄県農林水産部森林資源研究センター 2016)
- ^ a b (USDA 2022)
- ^ a b c (Latiff & Faridah Hanum 1997, pp. 251–252)
- ^ a b c (西表森林生態系保全ふれあいセンター 2013)
- ^ a b c (中西 2020, p. 200)
- ^ a b (初島 1975, p. 403)
- ^ a b (片野田 2019, p. 56)
- ^ (国立科学博物館 2011)
- ^ (山崎 2012, p. 100)
参考文献
[編集]日本語:
- 米倉浩司; 梶田忠「サキシマハマボウ」『BG Plants 和名-学名インデックス(YList)』2003– 。2022年8月13日閲覧。
- 大川智史; 林将之『ネイチャーガイド 琉球の樹木 奄美・沖縄~八重山の亜熱帯植物図鑑』文一総合出版、東京都新宿区、2016年。ISBN 9784829984024。
- 中西弘樹『フィールド版 日本の海岸植物図鑑』トンボ出版、大阪市、2020年。ISBN 9784887162266。
- 初島佳彦『琉球植物誌(追加・訂正版)』沖縄生物教育研究会、那覇市、1975年。
- 片野田逸朗『琉球弧・植物図鑑 from AMAMI』南方新社、鹿児島市、2019年。ISBN 9784861244056。
- 西表森林生態系保全ふれあいセンター『西表島の植物誌』林野庁九州森林管理局、沖縄県石垣市、2013年 。
- 国立科学博物館 琉球の植物データベース『サキシマハマボウ』国立科学博物館、2011年 。
- 天野鉄夫『図鑑 琉球列島有用樹木誌』沖縄出版、沖縄県浦添市、1989年。
- 沖縄県農林水産部森林資源研究センター『サキシマハマボウ』沖縄県農林水産部、2016年 。
- 山崎青樹『新装版 草木染 染料植物図鑑 2』美術出版社、東京都千代田区、2012年。ISBN 9784568300765。(但し書籍中の掲載写真はオオハマボウ)
英語:
- USDA (2022), Thespesia populnea., Germplasm Resources Information Network (GRIN Taxonomy), National Germplasm Resources Laboratory, Beltsville, Maryland 2022年7月31日閲覧。
- Latiff, A; Faridah Hanum, I (1997), Faridah Hanum I; van der Maesen LJG, ed., Auxiliary plants. Plant Resources of South-East Asia (PROSEA), Leiden: Backhuys Publishers, ISBN 9073348668
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- サキシマハマボウ(先島浜朴) - 野の花賛花
- サキシマハマボウ - うちなー通信 - 沖縄の植物 - アオイ科
- サキシマハマボウ - 漫湖いきもの図鑑、漫湖水鳥・湿地センター
- サキシマハマボウ - 奄美大島いきもの通信
- サキシマハマボウ - 亜熱帯生物資源データベース、琉球大学