コガネタマキビ
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コガネタマキビ | ||||||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Littorina obtusata (Linnaeus, 1758)[1] | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
Flat periwinkle, yellow periwinkle |
コガネタマキビ(黄金玉黍、Littorina obtusata)は、大西洋北部沿岸に生息するタマキビ科の小型の巻貝の一種である[1]。
形態
[編集]殻長約1cm。インド西太平洋に分布する多くのタマキビ科の貝と異なり、螺塔が尖らない丸い貝殻をもつ。螺塔が尖った貝殻ではヨーロッパミドリガニに対する防御能力が低いと考えられている[2]。丸い貝殻を持つアマオブネガイ科の貝と比べると、殻はカノコガイよりも厚く、蓋は石灰質ではなく革質である。殻の表面は平滑で、色は白色、黄色、褐色のほか緑色を帯びることもある。頭部の左右の離れた位置に触角があり、その外側の付け根に小さい眼がある[3]。
生態
[編集]新生腹足類の中では藻食性で、寒冷な海の潮間帯以下、ヒバマタ属の褐藻類上に生息する。同様に海藻上でくらすタマキビ類として日本近海ではアマモ上に棲むモロハタマキビ Lacuna cariniferaが知られている[4]。3月から9月にかけて繁殖シーズンで、オスはペニスを持ち精莢をメスに注入し、メスは卵嚢を産みつける[5][6][7]。
分布
[編集]北海からグリーンランド・カナダ東岸のラブラドル海にかけて、北大西洋の寒冷な海域に分布する[1]。亜熱帯性の巻貝類たとえばアマオブネガイ科とは棲み分けられている[8]。
関連項目
[編集]- オーストラリアタマキビ:オーストラリア近海産のタマキビ。
- ヤマガタタマキビ属:オーストラリア沿岸産の円錐形の貝殻をもつタマキビ。
出典
[編集]- ^ a b c "Littorina obtusata". World Register of Marine Species. 2023年12月14日閲覧。
- ^ 入江貴博「自然史と進化生態学をつなぐ海産腹足類の研究(1):―貝殻種内変異と形態分類―」『日本生態学会誌』第68巻第1号、日本生態学会、2018年、1-15頁、doi:10.18960/seitai.68.1_1、ISSN 0021-5007、NAID 130006646981。
- ^ “Flat periwinkle”. alamy. 2021年11月27日閲覧。
- ^ “モロハタマキビ”. 愛知県(早瀬善正・木村昭一). 2021年11月23日閲覧。
- ^ 奥谷喬司『世界文化生物大図鑑『貝類』奥谷喬司 p.70-71』世界文化社、2004年。ISBN 4-418-04904-5。
- ^ Kerstin Johannesson, Sara H. Saltin, Iris Duranovic, Jon N. Havenhand, Per R. Jonsson (2010). “Indiscriminate Males: Mating Behaviour of a Marine Snail Compromised by a Sexual Conflict?”. PLOS ONE 5: e12005. doi:10.1371/journal.pone.0012005.
- ^ Rachel Collin (2019). Transitions in Sexual and Reproductive Strategies Among the Caenogastropoda. Springer. doi:10.1007/978-3-319-94139-4_7
- ^ Mellisa Frei & Geerat Vermeij (2008). “Molecular phylogenies and historical biogeography of a circumtropical group of gastropods (Genus: Nerita): Implications for regional diversity patterns in the marine tropics”. Molecular Phylogenetics and Evolution 48: 1067-1086. doi:10.1016/j.ympev.2008.05.009.