カッコウセンノウ

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マンテマ属
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
: ナデシコ目 Caryophyllales
: ナデシコ科 Caryophyllaceae
: マンテマ属 Silene
: カッコウセンノウ S. flos-cuculi
学名
Silene flos-cuculi
L. Greuter & Burdet
シノニム
  • Coronaria flos-cuculi (L.) A.Braun
  • Lychnis flos-cuculi L.

カッコウセンノウ(Silene flos-cuculi)は、ナデシコ科多年草である[1][2]ヨーロッパアジアに自生し[1]、道端や湿度の高い牧草地で見られる。イギリスでは、農場の近代化や湿地の灌漑によりその数が減少し、既によく見られるものではなくなっている。しかし、アメリカ合衆国北部やカナダ東部にも帰化するようになった[3]

記載[編集]

エストニアにおけるカッコウセンノウのコロニー

高さ20-90cmの多数の花茎と地面に近いところの葉からなるロゼットを形成する。茎は葉の上に伸びており、茎の頂部付近は枝分かれしており、末端に幅3-4cmのピンク色の花が付く。花は、幅の狭い5枚の花弁の各々がさらに深い切込みで4つに分かれており、ボロボロになった印象を与えるため、英語ではragged-robin(ボロボロのコマドリ)と呼ばれる。萼筒には10本の雄蕊がある。葉は対になっており、下の方の歯はスプーン状で茎が付いている。真ん中から上の方の葉は、披針形で、先端は尖っている。全ての葉は、葉縁に鋸歯はない。茎には、下向きに棘のある毛が生えており、そのため粗い手触りである。5月から8月頃に花が咲き、蜜を吸いにチョウハチが集まる。他の種類の昆虫も多く訪れるが、汎用の送粉シンドロームに分類される[4]。果実は、先端が開いた6-10mmの小さなカプセル状で、その中に多くの小さな種子を含み、8月以降に見られる。


栽培[編集]

庭用の人気のある栽培品種には、以下のようなものがある。

  • 'Alba' – white-flowered form
  • Jenny='Lychjen'[5]
  • 'Nana' – dwarf form (4 inches) with smaller leaf rosettes and shorter flower stems
  • 'Petite Jenny'[6]
  • 'White Robin'[7]

出典[編集]

  1. ^ a b Silene flos-cuculi”. Plants of the World Online. Royal Botanic Gardens, Kew. 2020年7月19日閲覧。
  2. ^ Template:BSBI 2007
  3. ^ Lychnis flos-cuculi L. USDA-NRCS PLANTS Database
  4. ^ Van Der Kooi, C. J.; Pen, I.; Staal, M.; Stavenga, D. G.; Elzenga, J. T. M. (2015). “Competition for pollinators and intra-communal spectral dissimilarity of flowers”. Plant Biology 18 (1): 56–62. doi:10.1111/plb.12328. PMID 25754608. https://www.researchgate.net/publication/273158762. 
  5. ^ Lychnis flos-cuculi Jenny='Lychjen'”. RHS. 2021年6月4日閲覧。
  6. ^ Lychnis flos-cuculi 'Petite Jenny'”. RHS. 2021年6月4日閲覧。
  7. ^ Lychnis flos-cuculi 'White Robin'”. RHS. 2021年6月4日閲覧。