アウグスト・イェーガー

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アウグスト・ヨハネス・イェーガー(August Johannes Jaeger, 1860年 - 1909年)は、ドイツ生まれのイギリスの音楽出版者。エドワード・エルガーと親交を築いたことで知られる。

生涯[編集]

イェーガーはデュッセルドルフに生まれた。ロンドンの音楽出版社であるノヴェロ社(Novello & Co)に勤めていた間に、彼はエルガーと出会う。イェーガーの助言と友情はエルガーにとってかけがえのないものとなり、彼は多くの有名な音楽作品に改訂を施すことになる。そうした中には『エニグマ変奏曲』のフィナーレやオラトリオゲロンティアスの夢』のクライマックスも含まれる。イェーガーはその『エニグマ変奏曲』の第9変奏「ニムロッド」の題材として取り上げられており、変奏はベートーヴェンの緩徐楽章に関する対話を思い起こさせる。ニムロッドとは『創世記』に登場する狩人のことであり、ドイツ語で狩人を意味する単語のイェーガーJäger)との駄洒落になっている。

イェーガーは若き黒人作曲家サミュエル・コールリッジ=テイラーの楽曲を得意としていた。彼はエルガーに向かってコールリッジ=テイラーは「天才」だと主張していた。

イェーガーはヨークシャーホルムファース英語版近郊のホンリー(Honley)、マグデイル(Magdale)のイザベラ・ドンカースリー(Isabella Donkersley)と結婚した。彼女は王立音楽大学ヘンリー・ホームズに学んだ優れたヴァイオリニストだった。彼の一家は第一次世界大戦後、姓をハンター(Hunter)へと改称している。

参考文献[編集]

  • Self, Geoffrey (1995). The Hiawatha Man. Scolar Press. ISBN 0-85967-983-7