オトメガサ
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オトメガサ | |||||||||||||||||||||||||||
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レユニオン島のScutus sinensis
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Scutus sinensis (Blainville, 1825)[1] | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
オトメガサ (乙女笠) | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Hoof-shield limpet 中名 鸭嘴螺 (yā zuǐ luó) |
オトメガサ(乙女笠、Scutus sinensis)は、スカシガイ科(Fissurellidae)に属する軟体動物で、約5cm程度の黒色または飴色の平たく楕円形の軟体に、カサガイ状の貝殻を隠している。潮間帯の岩礁に棲む[2][3]。
形態
[編集]貝殻は白色ないし淡い橙褐色で、角が丸い長方形で前方中央が凹んでいる[3]。退化した貝殻は外套膜(mantle)で覆われ、貝殻の下に体を隠すことができない。幼貝は巻貝の形をしていて、成長とともに平たい笠貝形になる点で、幼貝時から巻貝の形をしていないカサガイとは異なる[4]。左右にやや太い触角(tentacles)と短い眼柄(がんぺいeyestalks)をもつ。頭のすぐ後ろの左右に櫛鰓(ctenidia)があり、櫛鰓のすぐ後ろ、体中央部の左右に心房(auricles)がある[5]。
生態
[編集]潮間帯の岩礁に棲み、藻類を食べる。古腹足類の特徴として、雌雄の別があり放卵放精により体外受精する。
分布
[編集]化石
[編集]中新世にスカシガイ科の他の種から分化したと考えられ[7]、愛知県の渥美層群で更新世の化石が見つかっている[8]。
出典
[編集]- ^ “Scutus sinensis (Blainville, 1825)”. WoRMS. 2022年4月24日閲覧。
- ^ 波部忠重・小菅貞男 (1967/8/10). 標準原色図鑑全集 3 貝P2. 保育社
- ^ a b c 奥谷喬司『『改訂新版 世界文化生物大図鑑 貝類』』世界文化社、2004年。ISBN 4-418-04904-5。
- ^ 佐々木猛智 (2010). 貝類学 p.175. 東京大学出版会. ISBN 978-4130601900
- ^ “Family Fissurellidae Fleming, 1822”. 東京大学. 2022年4月24日閲覧。
- ^ 『中国北部湾潮間帯現生貝類図鑑』 9中华楯䗩,王海艳,张涛,马培振,蔡蕾,张振,科学出版社 2016年 ISBN 9787030485571
- ^ Tauana Junqueira Cunha, Sarah Lemera, Philippe Bouchet, Yasunori Kano and Gonzalo Giribet (2019). “Putting keyhole limpets on the map: phylogeny and biogeography of the globally distributed marine family Fissurellidae (Vetigastropoda, Mollusca)”. Molecular Phylogenetics and Evolution (ScienceDirect) 135: 249-269 .
- ^ “中部更新統渥美層群の軟体動物化石 p.67 PL.2”. 瑞浪市化石博物館 川瀬ら. 2022年4月24日閲覧。