オットー・フリードリッヒ・ボルノウ

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オットー・フリードリヒ・ボルノウOtto Friedrich Bollnow, 1903年3月14日 - 1991年2月7日)は、ドイツの教育哲学者。シュテッティン(現在のポーランド領シュチェチン)生まれ。長くテュービンゲン大学教授で知られる。ボルノーとも。

経歴[編集]

思想と評価[編集]

  • 彼の思想の特徴は、理性とロマン主義、生の哲学と実存主義といった相対立する概念・思想の一方を排するのではなく、その両者の緊張関係を維持しながら、自らの思想を新たな危険にさらす開かれた態度にあるとされ、それはあたかも「二つの椅子の間に座る」ようであるとされた[1]
  • 第二次世界大戦中、ヘルマン・ノールと彼の弟子たちは、リベラルな志向を持っていたためほとんどが教職を追放されるか、イギリスなどに亡命したが、彼はマインツ大学の教職に留まり、戦後、テュービンゲン大学に移り、退職するまでそこで教鞭をとった。大戦中に特筆することがあるとすれば、彼は精神的遺書を作ることを決心し『気分の本質』を書き上げ、ハイデッガーの「現存在の分析論」に対立しながら、「哲学的な人間学」の原理を展開している。1943年に陸軍へ召集され、自動車部隊や砲兵隊などを転々とした後にミュンヘン近郊の研究所へ物理学者として配属された。この間哲学からは断絶させられている。
  • 彼は、ハイデッガーの死へ向けての存在に教育学という立場から反論し、家や庇護された空間を人を支える根拠として提案し、教育学ではこれを基礎に「教育的雰囲気」という概念を考え出した。今日、ケアリングという考え方の先駆をなすものではないかという彼の再評価の動きもある。彼の空間論(『人間と空間』せりか書房)、気分論(『気分の本質』筑摩書房)は、教育学以上に、建築学の世界でよく読まれている。

主要な著作[編集]

  • 『ディルタイ―その哲学への案内』(Dilthey. Eine Einführung in seine Philosophie、1936)(麻生建訳、未来社、1977)
  • 『気分の本質』(DasWesen der Stimmungen,1941)(藤縄千艸訳、筑摩書房、1973)
  • 『ロマンティークの教育学』(Die Pädagogik der deutschen Romantik、1952)
  • 『新しい庇護性 実存主義克服の問題』(Neue Geborgenheit,1955)
  • 『実存哲学と教育学』(Existenzphilosophie und P a' dagogik,1959)
  • 『人間と空間』(Mensch und Raum,1963)(大塚恵一訳、せりか書房、1978)
  • 『教育を支えるもの』(森昭・岡田渥美訳、黎明書房、2006)

脚注[編集]

  1. ^ 『ボルノーの生涯と思想(2)』p48

参考文献[編集]

  • 広岡義之『ボルノーの生涯と思想(1)、(2)』(梅光女学院大学論集)[1][2]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

  • 小池英光「ボルノー」(Yahoo!百科事典)[3]