オイゲン・ブロイラー

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オイゲン・ブロイラー(Eugen Bleuler、1857年4月30日 - 1939年7月15日)は、スイス医学者精神科医エミール・クレペリンの提唱した早発性痴呆(de:Dementia Praecox)を改名し疾患概念を変え、スキゾフレニア(de:Schizophrenieen:Schizophrenia、旧称・精神分裂病など。現在、日本の精神医学用語では統合失調症、旧・精神分裂病)という用語を創設した。スキゾが「分裂した」、「フレニア」が精神を意味している。医師として献身的な姿勢で患者に臨み、高い治癒率を上げたことで知られる。

スキゾフレニア(精神分裂病、統合失調症)はその後多くの医師たちによって研究が重ねられたが、症候群であるものが単独の病気のようにイメージが独り歩きし(統合失調症の項参照)、さまざまな偏見の原因になることから、現在その概念自体の再検討が必要とされている。

経歴[編集]

チューリッヒ近くのツォリコン生まれ。父親は裕福な農夫であった。ブロイラーはチューリッヒで医学を学んだ後、更にロンドンパリミュンヘンでも学んだ。1927年からチューリッヒ大学で精神医学の教授を務めた。エミール・クレペリンによって早発性痴呆という病名に分類され、治癒の希望を持てなかった人々に、新たな分類で希望を与え、また実際に治療に成功した例を示した。

精神分析の祖で異端者扱いされていたS・フロイトを、アカデミックな精神科医として最初に擁護し、フロイトのもとに弟子のユングを送ったのもブロイラーである。自閉、両価性(アンビバレンツ)などの精神病理学的概念は今日にいたるも引き継がれている。『精神分裂病の概念』(人見一彦訳、学樹書院)には最初にSchizophreniaという名称が使われた論文が収められている。ブロイラーの精神医学書は切替辰哉訳で『精神医学書』として邦訳されている。

関連文献[編集]

  • 『精神分裂病の概念: 精神医学論文集』人見一彦・笹野京子・向井泰二郎訳、学樹書院、1998年10月。ISBN 978-4906502110

関連項目[編集]