エドマンド・アンシン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
エドマンド・アンシン
Edmund Ansin
生誕 エドマンド・N・アンシン
Edmund N. Ansin

(1936-03-09) 1936年3月9日
アメリカ合衆国マサチューセッツ州ウースター
死没 2020年7月26日(2020-07-26)(84歳)
アメリカ合衆国フロリダ州マイアミビーチ
国籍 アメリカ人
教育 ペンシルベニア大学学士号取得
ウォートン・スクール学士号取得
職業 実業家
著名な実績 サンビーム・テレビジョン共同創設者
純資産 増加14億米ドル(2014年3月)[1]
配偶者 トビー・ラーナー・アンシン英語版(離婚)
子供 アンドリュー・アンシン
ジェームズ・アンシン
ステファニー・アンシン
  • シドニー・D・アンシン(父)
テンプレートを表示

エドマンド・N・アンシン(英語:Edmund N. Ansin1936年3月9日 - 2020年7月26日)は、アメリカ合衆国億万長者であり、サンビーム・テレビジョンの共同創設者だった。他の独立放送局で使用されていた従来の型から脱却し、テレビニュース業界の革新者であると信じられていた。彼のアプローチは、最初はマイアミで、次にボストンで成功を収めた。

幼少期と教育[編集]

エドマンド・アンシンはマサチューセッツ州ウースターユダヤ人家族に生まれ[2]、近くの同州アソル (マサチューセッツ州)英語版で育った[3][4]1936年、父親でウクライナ移民の息子であるシドニー・D・アンシンは[2]、同州フィッチバーグに靴製造業であるアンウェルト・シュー(Anwelt Shoe)を設立した[5]。彼は1941年に家族をフロリダに引っ越した[6]。彼の両親はマイアミビーチのテンプル・ベス・ショロム (フロリダ州マイアミビーチ)英語版の創設メンバーだった[2]。アンシンはアンドーバー・アカデミーの進学予備のためにマサチューセッツに送り返された[3]ハーバード大学で2年間過ごした後[4]1957年ペンシルベニア大学で経済学の理学士号を取得して卒業した[6]。弟は元マサチューセッツ州商取引委員であるロナルド・アンシンで[3]1966年にロナルドのシドニーからアンウェルト・シューを買収した[5]

キャリア[編集]

1962年、父親のシドニーがマイアミのNBC系列テレビ局であるWCKTのライセンスを340万ドルで買収した後、エドマンドとシドニーはサンビーム・テレビジョン・コーポレーション(以下、「サンビーム」)を設立した。エドマンドはサンビームのエグゼクティブ・バイス・プレジデントに就任し[3][6]1971年にシドニーが亡くなった後、同社の社長に就任した[2][6]。WCKTは1983年にコールサインをWSVNに変更し、1988年の終わりに、WSVNはNBCとアンシンとの提携を失った後、CBS会長のローレンス・ティッシュ英語版が同局を買収するという申し出を非難した後[6]、ネットワークに所属していなかった[3]。同局は、新興のFOXネットワークと提携し、新しく立ち上げられたCNN衛星ネットワークからのコンテンツでローカルニュース放送を補完した。アンシンは、成功した独立放送局(朝の子供番組、午後のゲーム番組、夜の映画、シンジケート・シットコム)で使用されている従来のアプローチに従うのではなく、ニュースに焦点を当てることにした。アンシンとニュースディレクターのジョエル・チートウッド英語版は、乾いたストイックな伝え方の代わりに、ペースの速いリポート、犯罪関連のニュース記事主導、速報生中継、そしてかなりのプレゼンターを備えた、今やユビキタスな「マイアミニューススタイルMiami News style)」を形成した[3]。「If it bleeds, it leads(残酷な事件ほど[血が流れれば]トップニュース)」というのが業界のキャッチフレーズとなった[3]。このアプローチは大成功を収め、WSVNのニュースはすぐにマーケットリーダーとなった[3]。WSVNは2011年に9600万ドルの収益を報告した[6]

1993年ボストンWHDH (TV)(チャンネル7)を買収した。アンシンは個々のニュース記事に費やす時間を短縮し、ビデオとオーディオの効果に大きく依存し、「その場で」のリポートを強調した[3]2006年、サンビームは、CWテレビジョンネットワークの系列局であるボストンのWLVI英語版トリビューン・ブロードキャスティング英語版から買収した[7]

サンビームの子会社であるサンビーム・プロパティーズ(Sunbeam Properties)は、ブロワード郡で最大のビジネスパークである400エーカーのミラマー・パーク・オブ・コマースを開発した[8]

慈善活動[編集]

アンシンは、3つの異なる都市で慈善活動に対してユナイテッド・ウェイ・オブ・アメリカ英語版のアレクシ・ド・トックビル賞(Alexis de Tocqueville Award)を受賞した唯一の人物だった[3]エマーソン大学のラジオ局とテクニカルコミュニケーションビルを建設するために100万ドルを寄付した[3]。アンシンと弟である元マサチューセッツ州商務委員であるロナルド・アンシンは、ボーイズ・アンド・ガールズ・クラブ・オブ・ボブトン(Boys and Girls Clubs of Boston)とそのユース・サービス・プロバイダー・ネットワーク(Youth Service Providers Network)に260万ドルを寄付した[3]

私生活[編集]

アンシンは、マイアミ・シティ・バレエ団英語版を創設した妻のトビー・ラーナー・アンシン英語版と離婚した[8][9]。彼らには3人の子供がおり、アンドリュー・アンシンはサンビーム・プロパティーズで、ジェームズ・アンシンはサンビーム・テレビジョンでそれぞれ勤務しており、そしてステファニー・アンシンは[8]、PlayGround Theater(現:マイアミ・シアター・センター)の芸術監督兼共同創設者である[10][11]。アンシンはテンプル・ベス・デビッド(Temple Beth David)のメンバーでした[12]

2020年7月26日にマイアミの自宅で死去。84歳。亡くなる週末だけ体調を崩していた[13]。サンビーム・テレビジョンの放送事業は、アンドリューとジェームズが率いるアンシン一家の中で継続することが期待されている[14]

脚注[編集]

  1. ^ Forbes, "The World's Billionaires – Edmund Ansin" March 2014
  2. ^ a b c d The Miami News: "Commemoration of the Ansin Breezeway" January 22, 1981
  3. ^ a b c d e f g h i j k l Boston, "Breaking News", David S. Bernstein November 2001
  4. ^ a b South Florida Business Journal, "Ansin family to keep working until the cows have no home", Kevin Galeto August 27, 2001
  5. ^ a b The Boston Globe: "A factory revision – In Fitchburg, a developer turns his family's former shoe mill into affordable apartments", Kathleen Pierce September 21, 2008
  6. ^ a b c d e f Sun Sentinel, "WSVN-TV's Ed Ansin keeps blazing a trail, even after 50 years", Maria Mallory White January 8, 2013
  7. ^ Romano, Allison (2006年9月14日). “Tribune Sells Boston Station”. Broadcasting & Cable英語版. http://www.broadcastingcable.com/article/105796-Tribune_Sells_Boston_Station.php 2013年3月22日閲覧。 ; “WLVI's main man takes the high road”. テレグラム&ガゼット英語版. (2006年12月14日). http://nl.newsbank.com/nl-search/we/Archives?p_product=WO&p_theme=wo&p_action=search&p_maxdocs=200&p_topdoc=1&p_text_direct-0=1161B024D80BE628&p_field_direct-0=document_id&p_perpage=10&p_sort=YMD_date:D&s_trackval=GooglePM 2013年3月22日閲覧。  (Paid subscription required要購読契約)
  8. ^ a b c South Florida Business Journal, "Younger Ansin gains accolades for development", Lois Perdue February 28, 2000
  9. ^ Dance Lines: "Rojo and Lopez sieze the chance to call the tune" retrieved August 10, 2013; "Jews of Greater Miami", Marcia Jo Zerivitz, Jewish Museum of Florida retrieved August 10, 2013
  10. ^ Miami Artzine: "Stephanie Ansin, PlayGround Theatre and Miami Theater Center", Roger Martin Archived August 11, 2013, at Archive.is September 18, 2012
  11. ^ Theater Communications Group: "Down the Rabbit Hole with Stephanie Ansin", Bill Hirschman Archived October 24, 2013, at the Wayback Machine. March 2011
  12. ^ Miami News: Famed tenor, cellist draw full houses on same night" by Bella Goldstein May 6, 1980
  13. ^ Leung, Shirley; Feldman, Abigail (2020年7月26日). “Ed Ansin, television news pioneer and owner of Channel 7, dies. He was 84.”. The Boston Globe. https://www.bostonglobe.com/2020/07/26/metro/ed-ansin-local-television-news-pioneer-owner-channel-7-dies-he-was-84/ 2020年7月27日閲覧。 ; Marchante, Michelle; Marr, Madeleine (2020年7月27日). “TV 'trailblazer' Ed Ansin, who helped change the flavor of news, dies in Miami at 84”. Miami Herald. https://www.miamiherald.com/news/local/obituaries/article244513307.html 2020年7月27日閲覧。 
  14. ^ Loss of a Leader: WSVN owner Ed Ansin passes away at 84 July 27, 2020