インディアン法 (カナダ)

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インディアン法1876年成立・施行、正式名称は「インディアンに関する法律」)は、カナダにおいて登録されたインディアン(法律にはインディアンという呼称が残っているが、現在ではファースト・ネーションという名称が用いられる)、その居住地であるインディアン保留地(リザーブ)の仕組みについて取り扱う法律である。この法律はインディアン問題および北方開発大臣によって運用されている。この法律の合憲性は、連邦政府が「インディアンおよびインディアンに保留された土地」に関連して立法措置を行得るように定めている、カナダの1867年憲法法、第91項(35)にもとづくものである。インディアン法には、登録インディアンに対する、いくつかの法的な障害と法的な権利が含まれている。インディアン法のなかのこのような諸権利は、人種を排除しているにもかかわらず、権利と自由のカナダ憲章第25項の適用を免れていることになる[1]し、1982年憲法法第35項によって認められている、先住民権および条約上の諸権利もまた保護している。インディアン法それ自体は、現存するいくつかの先住民権や条約上の権利を認めているとはいえ、第35項の法源ではない。

ステイタス[編集]

この法律によって設置されたインディアン登録簿のなかに自分の名前が記載されているインディアンは、インディアンのステイタスあるいは条約上のステイタスを有していると言われる。登録されていないインディアンはノン・ステイタス・インディアンと呼ばれる。1985年以前は、ステイタスはしばしば、今日では不公正と考えられている方法で失効していた。1974年のカナダ法務長官対ラヴェル訴訟においては、このような差別的な法律が、カナダ権利章典のもとでなされた議論にもかかわらず、まだ支持されていた。とはいえ、この法律は1985年に、そうしたやり方でステイタスを失った人びと、その子どもたちにステイタスを回復するために改正された。改正以前に、かつて存在したステイタスを失効させるための方法は次の通り:

  • ステータスインディアンではない男性との結婚
  • 選挙権付与 (1960年以前には、インディアンが連邦の選挙に投票できたのは、ステータスを放棄した場合に限られた)
  • 結婚以前にはステータスを有していない母および父方の祖母(これらの人びとは21歳になるとステータスを失った)がいること
  • 母がステータスを有し、父が有さない婚姻から出生していること

第88項[編集]

インディアン法第88項 (カナダ)は、州法が、先住民だけでなく他のすべての人びとにも効力があることを意味する「全般適用」に属する場合には、その効力が先住民にも及ぶことを謳っている。1978年のクルーガー他対女王訴訟において、最高裁は、先住民に他の人びと以上の重大な効力をもたらす州法は、「等しい影響をもつ少数の法がある」ならば、支持しうるとの考えを示した。

判例法[編集]

1915年の国王対ジム訴訟において、ブリティッシュ・コロンビア州最高裁判所は、先住民たちによる保留地での狩猟を、憲法とインディアン法にもとづく連邦の管轄下にあると見なされるべきだとの考えを述べた。この判例には、狩猟をめぐる州法も関与していた。

この法律は1969年の カナダ最高裁判所で、リザーブの外での飲酒を禁じた条項と権利章典との対立をめぐって争われた、女王対ドライボーンズ訴訟の中心的争点となった。この判決は、権利章典が普及した数少ない事例のひとつだっただけに、人びとの記憶に残っている。

1999年のコルビエール対カナダの訴訟においては、保留地をめぐる投票権は、権利と自由のカナダ憲章第15項にまで拡大適用された.

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  1. ^ Hogg, Peter W. Constitutional Law of Canada. 2003 Student Ed. Scarborough, Ontario: Thomson Canada Limited, 2003, page 631.

参考項目[編集]

外部リンク[編集]