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アンリ・モニエ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アンリ・モニエ
Henry Monnier
ポール・ガヴァルニによる肖像画
生誕 (1799-06-07) 1799年6月7日
パリ
死没 1877年1月3日(1877-01-03)(77歳没)
パリ
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アンリ・モニエ(Henry Bonaventure Monnier、1799年6月7日 - 1877年1月3日[1])は、フランスのイラストレーター、風刺画家、劇作家、俳優である。

略歴

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パリで生まれた。パリのリセ・コンドルセ(当時の名称はリセ・ボナパルト)で学び、1816年に司法省(ministère de la Justice)の役人になった。1819年ころから仕事の余暇にアンヌ=ルイ・ジロデ=トリオゾンアントワーヌ=ジャン・グロの工房に通い絵を学んだ。1821年5月に役人の仕事に耐えられなくなり退職した[2]。1921年に俳優の肖像版画を出版した。

1822年からロンドンに渡り、多色版画の技術を習得し、5年ほどイギリスに滞在しフランスに戻った。アレクサンドル・デュマテオフィル・ゴーティエスタンダールウージェーヌ・シュープロスペル・メリメといった文学者たちと親しくなり、人気のある風刺画家になった。1827年から1832年まで同時代のパリの人々の生活を題材にした多くの版画集を出版し、劇作家としても働き始めた。

1834年にブリュッセルで、モネ劇場(ベルギー王立歌劇場)の女優のカロリーヌ・ペグシェ(Caroline Péguchet)と結婚した。

1850年代からは、執筆と演劇に専念し、1852年11月23日、パリ、オデオン帝国劇場にて『ジョゼフ・プリュドム氏の栄光と凋落』[3]を上演、一躍パリの風物となった。1857年に、喜劇の代表作『ジョゼフ・プリュドム氏の回想』(Mémoires de Monsieur Joseph Prudhomme) 』を出版しブルジョアの俗物の典型な人物像を作り上げた。

1875年にアカデミー・フランセーズから文学の賞(Prix Vitet)を受賞し、没後の1879年にアカデミー・フランセーズから優れた演劇の関係者に贈られるモンバンヌ賞(Prix Monbinne)が未亡人に贈られた。

役人から風刺画家、作家になったアンリ・モニエの生涯は、オノレ・ド・バルザック人間喜劇の1編、「平役人(Les Employés ou la Femme supérieure)」(1839年)の登場人物のモデルになったとされる。

美術作品

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脚注

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  1. ^ Acte de décès à Paris 1er, n° 10, vue 2/31.
  2. ^ Henry Monnier, Scènes populaires - Les Bas-fonds de la société, préface d'Anne-Marie Meininger, p.14 et 15, éditions Gallimard, collection Folio 1596, 1984.
  3. ^ 『ジョゼフ・プリュドム氏の栄光と凋落』中田平、中田たか子訳、デジタルエステイト、2024年。

参考文献

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  • Champfleury, Henry Monnier, sa vie, son œuvre, Paris, Édouard Dentu, 1879.
  • Aristide Marie, L'art et la vie romantique : Henry Monnier (1799-1877), Paris, Librairie Henri Floury, 1931.
  • Cyrille Rollet, Henry Monnier histoire d'un pitre ? quelques copeaux biographiques, mémoire de M2 histoire, sous la direction de Christophe Charle, Université Paris 1, 2008, édition ?.
  • Cyrille Rollet, Figurez-vous Henry Monnier…, mémoire de M2 histoire de l'art, sous la direction de Ségolène Le Men, Université Paris 10, 2006, édition ?.
  • Jane Roberts Fine Arts, Paris, Henry Monnier 1799-1877, Une Collection particulière, catalogue d'exposition, deux volumes, novembre-décembre 2013. [Préface, biographie et bibliographie de Cyrille Rollet].