アダージョとアレグロ (シューマン)

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アダージョとアレグロ(独: Adagio und Allegro変イ長調作品番号70は、ロベルト・シューマンが1849年に作曲した室内楽曲である。元々、独奏ホルンピアノの編成の曲であるが、ホルンの代わりにヴァイオリンチェロの版も残されている。

概要[編集]

シューマンは1841年以降、様々なジャンルの作品を書いた。管楽器の独奏曲にも、オーボエクラリネットのための作品が残っている。この曲は、ホルンのために作曲された。

当初「ロマンスとアレグロ」という題名がつけられていたが、その後現在の曲名に変更された。

作曲者自身によって、チェロ独奏曲・ヴァイオリン独奏曲としての楽譜も残された(ホルン版とは、譜面の一部が微妙に異なっている)。現在では作曲者以外の編曲によってさまざまな楽器のための独奏曲として重宝されている。また伴奏はピアノだがエルネスト・アンセルメの編曲によって管弦楽編曲版も作られている

なお、この「アダージョとアレグロ」は、ホルンの中でも、半音ごとの各音が全て自由に出せるヴァルヴホルンのために書かれている。この時期、ヴァルヴホルンを前提とした独奏曲はまだほとんど書かれておらず、この「アダージョとアレグロ」は、当時としては珍しい、ヴァルヴホルンを前提としたホルン独奏曲であった。作曲者の、この楽器に対する興味の強さが伺われる。

初演は1849年に非公式の場で、1850年に公式の場で行われた。

楽曲構成[編集]

題名の通りアダージョ部分とアレグロ部分とからなる。ただしアレグロ部分は三部形式からなり、中間のテンポが緩む部分でアダージョの旋律が回想される。

ホルンは、まとまった休符の小節がほとんどなく、曲の最初から最後まで終始吹き続けている。また伴奏のピアノも音楽的に非常に重要であり、似たような音型を模倣・対立させあったり、音楽的主導権を奪い合ったりしながら曲が進む(ホルンがロングトーンで吹き延ばしているときに、全く別の動機をピアノが奏でるシーンが、特にアダージョ部分で顕著である)。

レコーディング・実演[編集]

  • 多くのホルン奏者がこの曲を録音している。古くはデニス・ブレイン独奏による録音が有名。
  • チェロ独奏版の録音も多い。これも、古くはパブロ・カザルス独奏による録音が有名。
  • 前記の通り、作曲者が指定した以外の楽器による独奏のCDも、多く残されている。管弦楽伴奏による録音もある。
  • 実演でも、ホルン独奏のリサイタルピースとして広く演奏されている。

外部リンク[編集]