アダムとイヴとサタンの対立

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アダムとイヴとサタンの対立』(アダムとイヴとサタンのたいりつ、Conflict of Adam and Eve with Satan)は、アラビア語の原文がゲエズ語に翻訳された状態で発見された、6世紀[1][2][3][4]キリスト教聖書正典外の文書。

教会の正典の一部を構成するものではない。

編集と翻訳[編集]

アウグスト・ディルマンによって、ゲエズ語からドイツ語に初めて翻訳された[5]。その後、エルンスト・トランプのドイツ語版を通して、ソロモン・シーザー・マランによって初めて英語に翻訳された。マランによる翻訳文の前半は、『アダムとイヴの第1の書』と『アダムとイヴの第2の書』として『聖書の失われた書物とエデンの忘れられた書物』に収録されている。

内容[編集]

本書はアダムイヴの子供にカインアベルセトという息子の他に、ルルワアクレミアという娘がいたと語っている。アダムとイヴの子供はこの5人だけであり、他の子供はいないとも語っている[6]。カインはルルワと結婚し、セトはアクレミアと結婚して、その子孫が人類の起源となった[7]

文書の起源[編集]

シリアの文献『宝の洞窟』は、『アダムとイヴとサタンの対立』に記述された内容と同じ伝説が多く記述されている。

出典[編集]

  1. ^ Charles, R.H. (2004). The Apocrypha and Pseudepigrapha of the Old Testament, Volume Two: Pseudepigrapha. Apocryphile Press. p. 127. ISBN 978-0-9747623-7-1 
  2. ^ Jenkins, P. (2015). The Many Faces of Christ: The Thousand-Year Story of the Survival and Influence of the Lost Gospels. Basic Books. p. 144. ISBN 978-0-465-06161-7 
  3. ^ Weinberger, E. (2016). The Ghosts of Birds. New Directions. p. 13. ISBN 978-0-8112-2619-6 
  4. ^ Malan, S.C. (1882). The Book of Adam and Eve: Also Called the Conflict of Adam and Eve with Satan, a Book of the Early Eastern Church, Translated from the Ethiopic, with Notes from the Kufale, Talmud, Midrashim, and Other Eastern Works. Williams and Norgate. p. 6 
  5. ^ Dillmann, A. (1853). Das christliche Adambuch des Morgenlandes. Göttingen: Dieterich. OCLC 230747084
  6. ^ Malan 1882, p. 106.
  7. ^ Malan 1882, p. 113.

参考文献[編集]

外部リンク[編集]

アダムとイブ第1巻とアダムとイブ第2巻、デニスホーキンスによって近代化されたマランの翻訳: