よもぎ蒸し
よもぎ蒸し(よもぎむし)は、よもぎを煎じた蒸気を下半身を中心に体全体に浴び吸収させる中国の療法である。1300年前の中国で楊貴妃が開発し、その後600年から700年ほど前韓国に伝わり、民間療法として広まった。産後ケアとして愛用されている。
世界の3大美女として知られている楊貴妃。実は病弱で太っていて、更に色黒で肌が荒れていた事実があり、血を吐くような努力で美しくなり、唐時代の玄宗皇帝を虜にしたとして有名だ。古文憲から楊貴妃は毒素を分解して外に出す事によって美白効果が期待出来る漢方薬草を使用していたとされています。楊貴妃は座燻(よもぎ蒸し)で子宮、腎臓、肝臓、胃、大腸などに溜まっている毒素を出し、肌を白く綺麗にする事が出来たそうです。そして楊貴妃は皇帝の貴妃になった後にも玄宗に愛され16年間、皇后の代わりに寵愛を受けました[1]。
よもぎ蒸しの方法には、薬草の入ったお湯を沸かしてその蒸気を皮膚や粘膜から吸収する方法、薬草を燃やしてその煙を浴びる方法の2種類がある。韓国では薬草を沸かして蒸気を浴びる方法が一般的である。韓国伝統のよもぎ蒸しによく使われる漢方薬草は、よもぎ(艾葉) 、 益母草、香府子、陳皮、甘草、ミント、荊芥、蒲公英、蛇床子、川芎、三白草、桑葉、苦参、卷白、九節草などがある。体質や病気によって漢方薬草が含まれた方が、その効果が高まるといわれている。
なお、よもぎ蒸し(ハーブテント)を営業として提供する場合には、公衆浴場法に基づく、その他の浴場(蒸気・熱気を用いた入浴)として保健所の許可を必要とする自治体もあるようだが、自治体によっては不要と判断しているところもあるので、管轄の保健所に問い合わせることが望ましい[2]。
概要
[編集]古くから女性が産後、または陰部掻痒症や膣炎などの性器に症状が出た時に活用する民間療養として利用されてきた[3]。「温活」として行われることがある[4]。
「冷え性改善協会」は伝統的な韓国の漢方よもぎ蒸しの普及に努めている。よもぎ蒸しは韓国で昔から産後ケアとして愛用されており、体調や好みに合わせて漢方薬草を煎じ、その蒸気で体を温める。老廃物を排出し、自然治療力を高めると言われている。
よもぎ蒸しサロンでは専用のマントを着用し、よもぎなどの薬草を煮出しした蒸気によって下半身を温める方法でよもぎ蒸しが行われている[5]。また、簡易的によもぎ蒸しができる商品も開発されている[4]。
日本から韓国へのパッケージツアーでプログラムの中によもぎ蒸しが組み込まれることがある[6]。
目的と効果
[編集]冷え症や月経不順を改善する目的でよもぎ蒸しを利用する30-40代の女性が多い[3][7]。一般的に体を温めることは健康に良いと言われているため、温かい蒸気で全身を包むよもぎ蒸しも効果が幅広いと考えられている[8]。
デトックス効果があるとして宣伝されることがあるが、デトックス自体に医療的に根拠がないとされている[9]。
韓国の「東医宝鑑」(朝鮮時代の第一の医書、許浚著)に、よもぎは体を温めて冷えを追い出すと記録されており、また当時は薬草を燃やす「焼烟薫之」という治療方法が行われていたことがわかる。中国明代の「景岳全書」(張景岳)には蒸慰法が記録されており、薬草を沸かす治療方法が書いてある。
こうした記録から、よもぎ蒸しは韓国だけではなく、中国でも昔から愛用されている民間治療であることが窺える。
脚注
[編集]- ^ “絶世の美女『楊貴妃』も愛した よもぎ蒸し”. beautysalon-tiaras.com. 2024年3月1日閲覧。
- ^ “【よもぎ蒸し開業】公衆浴場の許可は必要なの?”. セルフキュア (2024年2月2日). 2024年2月27日閲覧。
- ^ a b 小賀田真依「よもぎ蒸し温浴施設利用者への健康状況と利用目的の調査研究」(PDF)『日本健康心理学会 ポスター(通常)発表 ライフスタイル・健康習慣 KPC15』2018年、90頁。
- ^ a b 大岩佐和子・松本正伸 (2013年12月4日). “「温活」で販促広がる、資生堂・ロフト・YKKAP…、関連商品、冷え性女性に。”. 日経MJ(流通新聞). 2013-12-04
- ^ “「冷え」退治にあったか体験 エステやマッサージサロンのユニークなメニュー”. 朝日新聞. (2010年1月5日). 2010-01-05
- ^ 南宮智娜「東アジアにおける国際観光に関する研究 -相互間のパッケージツアーを中心に-」『2015年度日本地理学会春季学術大会』2015年、doi:10.14866/ajg.2015s.0_100264。
- ^ “【よもぎ蒸しとは】効果とやり方とコツをよもぎ蒸し専門サイトが紹介”. セルフキュア. 2024年2月27日閲覧。
- ^ “【薬学専門家】よもぎ蒸しで感じる効果を徹底解説!”. セルフキュア (2024年2月17日). 2024年2月27日閲覧。
- ^ 佐藤健太郎 (2017年2月11日). [https://toyokeizai.net/articles/-/156509 “「トンデモ」な健康情報には見分け方がある 出てきたら「怪しい」と疑うべき言葉はこれだ”]. 東洋経済オンライン. 2017-02-11 2018年11月4日閲覧。