おせき餅

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おせき餅

おせき餅(おせきもち)は京都市伏見区和菓子あんころ餅の一種。白餅、よもぎ餅の上に餡をのせているのが特徴。提供の仕方としては、編笠の上に並べた、編笠の形をした餅の上に餡を載せた、といった記述がある[1][2]。餅の上に無雑作に載せた餡には手形が残っていて野趣を感じると、竹村俊則が『昭和京都名所圖會』で評している[2]

店舗は国道1号京阪国道)西側に位置する[3][4]

来歴[編集]

おせき餅の暖簾

江戸時代城南宮付近の鳥羽街道(現・千本通)に「せき女(せきじょ)」という女性が茶店を開き、旅人に餅に餡をのせて出したのが始まりで、やがて評判を呼び彼女の名をちなみ「おせき餅」と呼ぶようになった[3][5][6]

時が下り慶応4年(1868年)、鳥羽・伏見の戦いで鳥羽一帯は戦災に遭い、おせき餅の店舗も被害を受けた[3][6][7]

昭和7年(1932年)、京阪国道開通により、創業から鳥羽街道沿いで営業した店舗を移転した[3][6][7]

店内にはイートインスペースも設けられている(食べる際は茶類とのセットでの購入)[6][8]。テイクアウトの場合は2個からの販売で、賞味期限は購入日中となっている[3][8]

出典・脚注[編集]

  1. ^ 中村直勝『新・京の魅力』淡交新社、1963。 
  2. ^ a b 竹村俊則『昭和京都名所圖會 6洛南』駸々堂出版、1986。 
  3. ^ a b c d e おせき餅(おせきもち本店)”. コトログ京都【和菓子】. 2022年11月20日閲覧。
  4. ^ 江戸時代から旅人に愛され続けているおせき餅[おせきもち]”. KYOTOLIFE (2021年10月17日). 2022年11月20日閲覧。
  5. ^ 伏見にある城南宮の門前名物おせきもちは鳥羽街道で長年愛されてきた素朴な味わい”. 京都スイーツ探訪(公式ブログ) (2015年12月24日). 2022年11月20日閲覧。
  6. ^ a b c d 【おせきもち】伏見・城南宮に行ったら食べておきたい門前菓子”. 寺社めぐり.com (2016年2月29日). 2022年11月20日閲覧。
  7. ^ a b おせき餅”. 京都で暮らそう. 2022年11月20日閲覧。
  8. ^ a b SAKURA TERRACE THE GALLERY(サクラテラス ザ・ギャラリー) (2017年4月23日). “江戸時代から続く銘菓「おせきもち」(宿泊施設ブログ)”. じゃらん. 2022年11月20日閲覧。

関連項目[編集]