おおぐま座運動星団

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おおぐま座運動星団(おおぐまざうんどうせいだん)は、地球の最も近くにある運動星団(宇宙空間で同じ速度で動く恒星の集まりで、共通の起源をもつと考えられているもの)である。主な星は、約80光年の距離にある。明るい星が多く、北斗七星のほとんどが含まれる。

発見と構成[編集]

おおぐま座運動星団のすべての恒星は、銀河系においてほぼ同じ位置にあり、ほぼ同じ方向に、ほぼ同じ速度で動いている。含有する金属の構成もほぼ同じで、ほぼ同じ年齢と考えられている。

構成する星の年齢から、おおぐま座運動星団は約5億年前に原始星星雲から形成され、かつては散開星団であったと考えられている。その後、各恒星は散らばり、18~30光年の範囲に広がっている。地球から最も近くにある散開星団のようなものとして知られている。

おおぐま座運動星団は、1869年にリチャードAプロクターが、おおぐま座α星おおぐま座η星を除く北斗七星を構成するすべての星が、射手座の同じ方向に向かって固有運動をしていることに気づき、発見された。すなわち、北斗七星は他の星座とは異なり、実際に関係のある星によって構成されている。

構成メンバー[編集]

この運動星団のメンバーの基準は、宇宙空間における恒星の動きに基づいている。恒星の動きは、固有運動と両眼視差(または距離)、視線速度によって測ることができる。

地球からの距離と実視等級に基づいて計算される絶対等級によって、恒星の年齢が推定される。この運動星団に属する恒星の年齢は、いずれも約5億年である。

中心メンバー[編集]

この運動星団の中心メンバーは、14の恒星から構成される。このうちの13はおおぐま座にあり、残りのひとつは隣のりょうけん座にある。

準メンバー[編集]

おおぐま座運動星団に属すると考えられる「準」メンバーがあり、ケフェウス座からみなみのさんかく座まで、より広い範囲に散らばっている。構成する明るい星には、かんむり座α星ぎょしゃ座β星みずがめ座δ星、うさぎ座γ星、へび座β星などがある。

メンバーでないもの[編集]

地球からの距離が近く明るいシリウスは、長年この運動星団のメンバーと考えられてきた。しかし、クレムゾン大学のジェレミー・キングなどが2003年に行なった調査によると、シリウスはメンバーにしては若すぎることが示唆されている。

太陽はこの運動星団のはずれに位置しているが、年齢が約10倍(約50億年)であり、メンバーではない。たまたまこの運動星団の近くを移動しているだけである。

関連項目[編集]