ε-カプロラクトン
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ε-カプロラクトン | |
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2-oxepanone | |
別称 カプロラクトン 6-ヘキサノラクトン ヘキサノ-6-ラクトン 1-オキサ-2-オキソシクロヘプタン | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 502-44-3 |
ChemSpider | 9972 |
KEGG | C01880 |
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特性 | |
化学式 | C6H10O2 |
モル質量 | 114.14 g/mol |
密度 | 1.030 g/cm3 |
融点 |
-1 °C |
沸点 |
253 °C [1] |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ε-カプロラクトン(イプシロン-カプロラクトン、ε-caprolactone)は、環状エステルおよびラクトンの一つで、化学式が(CH2)5CO2の七員環化合物である。常温では無色の液体で、多くの有機溶媒と混和する。工業的にはε-カプロラクタムの前駆体として多量に合成される。消防法に定める第4類危険物 第3石油類に該当する[2]。
合成
[編集]ε-カプロラクトンはシクロヘキサノンと過酢酸からバイヤー・ビリガー酸化によって工業的に合成される。主に生産しているのはアメリカのBASF社、日本のダイセル、そしてイギリスのPerstorp社である。
用途
[編集]ε-カプロラクトンはその大部分がε-カプロラクタムの原料として消費される[3]。また、高度に特殊化したポリマーのモノマーとしても用いられる。開環重合させるとポリカプロラクトン(PCL)が生成する[4]。
反応
[編集]主要な反応はε-カプロラクタムへの変換で、年間10億kg単位で合成が行われている。ε-カプロラクトンを高温でアンモニア処理するとε-カプロラクタムが生成する。
ε-カプロラクトンをカルボニル化し、加水分解するとピメリン酸が得られる。ラクトン環はアルコールや水などの求核試薬により容易に開環し、ポリラクトンを経て最終的には6-ヒドロキシアジピン酸となる。
脚注
[編集]- ^ OECD SIDS [www.chem.unep.ch/irptc/sids/OECDSIDS/502443.pdf 502443 - epsilon-caprolactone]
- ^ 法規情報 (東京化成工業株式会社)
- ^ Josef Ritz, Hugo Fuchs, Heinz Kieczka, William C. Moran "Caprolactam" in Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry 2002, Wiley-VCH, Weinheim. doi:10.1002/14356007.a05_031
- ^ Horst Köpnick, Manfred Schmidt, Wilhelm Brügging, Jörn Rüter, Walter Kaminsky "Polyesters" in Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry 2002, Wiley-VCH, Weinheim. doi:10.1002/14356007.a21_227