「USバングラ航空211便着陸失敗事故」の版間の差分
→事故機: from en:US-Bangla Airlines Flight 211 08:22 30 October 2018 タグ: モバイル編集 モバイルウェブ編集 |
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2018年11月25日 (日) 05:54時点における版
 2014年に撮影された事故機 | |
| 事故の概要 | |
|---|---|
| 日付 | 2018年3月12日 |
| 概要 | パイロットエラーによる滑走路のオーバーラン |
| 現場 |
 ネパール トリブバン国際空港 北緯27度41分33.29秒 東経85度21分32.03秒 / 北緯27.6925806度 東経85.3588972度座標: 北緯27度41分33.29秒 東経85度21分32.03秒 / 北緯27.6925806度 東経85.3588972度 |
| 乗客数 | 67 |
| 乗員数 | 4 |
| 負傷者数 | 19 |
| 死者数 | 52 |
| 生存者数 | 19 |
| 機種 | ボンバルディア ダッシュ 8-Q400 |
| 運用者 |
 USバングラ航空 |
| 機体記号 | S2-AGU |
| 出発地 |
シャージャラル国際空港 |
| 目的地 |
トリブバン国際空港 |
USバングラ航空211便着陸失敗事故（USばんぐらこうくう211びんちゃくりくしっぱいじこ）は、2018年3月12日に発生した航空事故である。シャージャラル国際空港発トリブバン国際空港行きだったUSバングラ航空211便（ボンバルディア ダッシュ 8-Q400）がトリブバン国際空港への着陸後にオーバーランし、爆発炎上[1]。乗員4人と乗客67人が搭乗していたが、52人が死亡し、19人が負傷した[2][3][4][5][6]
この事故はバングラデシュ史上最悪の航空事故であり[7]、ボンバルディア ダッシュ 8-Q400で発生した事故の中でも最悪なものだった[8]。
事故機
事故機のボンバルディア ダッシュ 8-Q400（S2-AGU）は、2001年にスカンジナビア航空に納入された[9][10]。2008年にアウグスバーグ航空に移籍し、2014年にUSバングラ航空が購入した。事故機は、2015年にもサイドプール空港で滑走路の逸脱事故を起こしており、わずかな損傷を負ったが、事故から8時間後に復帰した[11]。
乗員乗客
211便には大人65人と子供2人、乗員4人が搭乗していた[2]。機長は、元バングラデシュ空軍のパイロットで[12]、副操縦士は同航空会社初の女性パイロットだった[13][14]。
機長は22年間の飛行経験があり、経験豊富なパイロットだった。同型機では1,700時間の経験があり[15]、カトマンズへ100回以上飛行していたという[16]。機長は救助されたが、数時間後に死亡した[17]。
副操縦士は2016年7月に入社した。副操縦士も救助されたが、数時間後に死亡した。
| 国籍 | 乗客 | 乗員 | 合計 |
|---|---|---|---|
 ネパール
|
33 | 0 | 33 |
 バングラデシュ
|
32 | 4 | 36 |
 中国
|
1 | 0 | 1 |
 モルディブ
|
1 | 0 | 1 |
| 合計 | 67 | 4 | 71 |
事故の経緯
211便は67人の乗客と4人の客室乗務員を乗せて、バングラデシュの首都であるダッカのシャージャラル国際空港を現地時間12時52分（UTC6時52分）に離陸し、ネパールの首都、カトマンズのトリブバン国際空港へ向かった。離陸と巡航では異常は見られなかった[20][21]。
管制官とパイロットとの無線交信は矛盾したものとなっており、双方とも混乱していたようだった[22] 。
211便は滑走路02への着陸許可を得た。その際、機体は右旋回を行っていた。管制官は、反対側（滑走路20）への着陸は他機がいるためできないと伝えた。他機に進入を継続させたまま、211便に滑走路20と02のどちらへ進入をしたいかを聞いた。パイロットは、「滑走路20に降りたい」と答えた。これに対して管制官は、260度から風速6ノット (11 km/h)の風が吹いていることを伝え、滑走路20への着陸許可を与えた。パイロットは、滑走路を視認していなかったが、「滑走路を視認した、着陸許可を。」と返答した。管制官は着陸許可を繰り返したが、パイロットは「着陸許可、滑走路02」と返した。これに対して、管制官は滑走路02への着陸許可を与えた[23]。
現地時間14時18分に機体は滑走路をオーバーランし、付近のサッカー場で大破、炎上した[20]。目撃者によると、機体は滑走路に正対していなかった[21]。生存者は、機体が着陸した後に激しく揺れ、次いで大きな爆発音がしたと証言した[24][25]。また、「機体が奇妙な挙動をしていた」と証言した[2]。地上作業員は、機体が繰り返し揺れていたと述べた[20]。
消防隊と救助隊がすぐに現場に駆けつけたが、消火までに15分を要した[26]。救助された31人がカトマンズ近郊の病院に運ばれたが、ほとんどが重症だった。救助隊は、事故現場から8人の遺体を発見し、その後32人の遺体も回収された。事故により、52人が死亡した。うち12人は病院に搬送後亡くなった[20][21]。当初は、9人だったが翌日に2人、2週間後に1人が死亡した[27]。事故により、カトマンズ国際空港は3時間半閉鎖された[28]。
事故調査
ネパールの首相であるK.P.シャルマ・オリは、救助活動の視察のため現場を訪れた[21]。
交信記録によると、事故数分前からパイロットと管制官の間で進入方向について誤解が生じていた[2]。
バングラデシュとボンバルディアは、ネパール航空調査局の調査に協力しており、フライトレコーダーを回収したと述べた[29]。目撃者からの情報も多く得られた。航空事故調査委員会は、4月9日に予備報告書を発表した[29]。機体が、滑走路端から1,700m地点に着陸したことを公表した[30]。
脚注
- ^ “US-Bangla airlines plane crashed at Kathmandu airport, Nepal”. Kathmandu Tribune. (2018年3月12日) 2018年3月13日閲覧。
- ^ a b c d “Kathmandu airport crash: 49 dead as US-Bangla plane veers off runway”. BBC (2018年3月12日). 2018年3月12日閲覧。
- ^ Suri, Maneeva; Pokharel, Sugam (2018年3月12日). “49 dead after plane crash at Nepal's Kathmandu airport”. CNN 2018年3月12日閲覧。
- ^ “Death toll from US-Bangla plane crash hits 51”. thehimalayantimes.com (2018年3月14日). 2018年3月18日閲覧。
- ^ “Cause of Crash: US-Bangla, Tribhuvan at loggerheads” (2018年3月17日). 2018年4月11日閲覧。
- ^ “Shocking! Nepal Plane Crash Today images: Over 50 feared dead as US-Bangla airlines aircraft crashes at Kathmandu airport”. financialexpress.com (2018年3月12日). 2018年3月18日閲覧。
- ^ “US-Bangla plane crash: New details shed light on how it happened”. bdnews24.com. 2018年3月15日閲覧。
- ^ “Aviation Safety DHC-8-400 Statistics”. Aviation Safety Network 2018年3月15日閲覧。
- ^ “S2-AGU US-Bangla Airlines De Havilland Canada DHC-8-400 history”. 2018年3月12日閲覧。
- ^ “US-Bangla airlines aircraft crashes at TIA, casualties feared”. The Kathmandu Post (Ekatipur). (2018年3月12日) 2018年3月12日閲覧。
- ^ Hradecky, Simon (2015年9月4日). “Incident: US-Bangla DH8D at Saidpur on Sep 4th 2015, runway excursion after landing” 2018年3月12日閲覧。
- ^ “After deadly Nepal crash, Bangladeshi airline defends pilots”. Reuters 2018年3月15日閲覧。
- ^ “Prithula Rashid, a life cut short” (英語). The Daily Star. (2018年3月13日) 2018年3月15日閲覧。
- ^ “A life cut short” (英語). The Daily Star. (2018年3月14日) 2018年3月15日閲覧。
- ^ News, United. “Pilot, 3 crewmembers confirmed dead”. unb.com.bd. 2018年3月16日閲覧。
- ^ Connor, Neil (2018年3月13日). “Confusion over path of plane blamed for Nepal crash which killed 49”. 2018年3月16日閲覧。
- ^ “Pilot Abid survives US-Bangla plane crash in Nepal, co-pilot Prithula dies”. bdnews24.com. (2018年3月12日) 2018年3月13日閲覧。
- ^ Kitching, Chris (2018年3月12日). “Plane bursts into flames after crashing near Kathmandu airport 'killing dozens'”. Daily Mirror 2018年3月12日閲覧。
- ^ Admin, Admin (2018年3月13日). “Maldivian doctor suffers spinal fracture in Nepal plane crash”. Mihaaru 2018年3月13日閲覧。
- ^ a b c d “Kathmandu plane crash updates: KP Sharma Oli assures immediate probe, reaches airport to take stock”. First Post. 2018年3月12日閲覧。
- ^ a b c d “Nepal plane crash highlights: Bangladesh aircraft catches fire at Kathmandu airport, over 50 feared dead”. Indian Express (2018年3月12日). 2018年3月12日閲覧。
- ^ “liveatc.net”. LiveATC.net. 2018年3月12日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “Accident description US-Bangla Flight 211”. 2018年11月15日閲覧。
- ^ “Lucky to be alive: Nepal plane crash survivor”. The Hindu. 2018年3月12日閲覧。
- ^ “US-Bangla plane crashes at TIA”. Nepali Times. (2018年3月12日) 2018年3月12日閲覧。
- ^ gettleman, Jeffery. “‘Save Me, Save Me’: Scores Dead in Plane Crash in Kathmandu”. The New York Times 2018年3月12日閲覧。
- ^ “US-Bangla plane crash survivor Shahin Bepari dies”. Dhaka Tribune. (2018年3月26日) 2018年9月11日閲覧。
- ^ “49 dead in US-Bangla plane crash at Kathmandu airport”. The Kathmandu Post. 2018年3月12日閲覧。
- ^ a b “Accident: US-Bangla DH8D at Kathmandu on Mar 12th 2018”. Aviation Herald. 2018年3月17日閲覧。
- ^ “Preliminary Report of Aircraft Accident Investigation UGB211”. Aircraft Accident Investigation Commission (2018年4月9日). 2018年4月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年4月13日閲覧。