魔王 (伊坂幸太郎)

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魔王
著者 伊坂幸太郎
発行日 2005年10月20日
発行元 講談社
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 上製本
ページ数 294
コード ISBN 978-4-06-213146-9
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魔王』(まおう)は、伊坂幸太郎による日本小説

概要

著者自身が「自分の読んだことのない小説が読みたい。そんな気持ちで書きました」と語る作品。

安藤が主人公の「魔王」、その五年後の世界を描いた「呼吸」の二つの中編で構成されている。

魔王 JUVENILE REMIX」のタイトルで大須賀めぐみ作画で漫画化され、『週刊少年サンデー』(小学館)で連載された。

ストーリー

会社員の安藤は弟の潤也と二人で暮らしていた。自分が念じれば、それを相手が必ず口に出すことに偶然気がついた安藤は、その能力を携えて、一人の男に近づいていく。

登場人物

安藤
「魔王」の主人公。会社員。
交通事故で両親を失ってから、弟の潤也と二人で暮らしている。
幼少期に見たアメリカのドラマ『冒険野郎マクガイバー』の影響で、「考えろ」と呟きながら考察する癖があることから考察魔と呼ばれる。
自分が思った事を相手に喋らせることができる『腹話術』の能力に気付き、様々な要因が重なり一人の男に接近することを決意する。
安藤潤也
安藤の弟。明るく、自分の考えを持ち芯の強い所がある。
「呼吸」では詩織と結婚し、仙台に移住し猛禽類の調査をする仕事をしている。
「魔王」の話以後、じゃんけんに負けなくなった事から、ある能力に気付く。
詩織
潤也の恋人。「呼吸」の主人公で、その時には潤也と結婚し、ともに仙台に移住し、派遣社員として働いている。
電気を消す音を聞くと、たとえ睡眠時であっても「消灯ですよ」と言う癖がある。
犬養舜二
未来党の党首で国会議員。政治に興味のない若い世代など、人を引き付ける魅力を持つ。
テレビの討論番組で、「五年で立て直す。無理だったら私の首をはねろ」という発言の旨をする。
宮沢賢治の作品を愛読しており、その事からある人物に神曲を愛読していたムッソリーニとの共通点があると考察されている。
「呼吸」では内閣総理大臣になっている。
ドゥーチェのマスター
安藤が通うドゥーチェというバーのマスター。
安藤の大学時代の友人。電車の中で、偶然安藤と再会する。
大学時代は長髪だったが、営業社員をしていた再会時には「暑いから」という理由で短髪になっている。
「呼吸」にも登場し、未来党の党員活動をしている。その時には、再び長髪になっている。
巨乳女子高生が好き。
満智子
安藤の同僚。安藤の隣の席を使用している。
平田
安藤の勤める会社の先輩。四十代前半で離婚歴のある独身男性。気が弱い。
アンダーソン
安藤の友人。
日本人のOLと恋に落ち結婚。会社を辞め、英会話教室を営んでいる。
アメリカ出身だが、日本に帰化している。日本名はあるが、誰もその名では呼ばない。
妻とは帰化が認められた半年後に死別している。
田中
サッカー日本代表の中盤の要と言われる選手。
日本対アメリカの親善試合の後、アメリカ人によって殺害される。
蜜代
「呼吸」に登場。詩織の同僚。
詩織からは「蜜代っち」と呼ばれ、詩織の事を「詩織っち」と呼ぶ。
憲法九条の改正に批判的な意見を持つ。
赤堀
「呼吸」に登場。詩織の同僚で、一歳下の二十七歳。
憲法九条の改正に肯定的な意見を持つ。
大前田
「呼吸」に登場。詩織の上司

書籍情報