電信八号

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。163.58.133.226 (会話) による 2022年2月7日 (月) 14:16個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (1.7.5更新)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

電信八号
開発元 電八倶楽部
最新版
V32.1.7.5 / 2021年10月10日 (2年前) (2021-10-10)
対応OS Windows95/98/Me/NT4/2000/XP/Vista/7/8
プラットフォーム Windows
種別 電子メール
ライセンス フリーウェア
公式サイト 電信八号オフィシャルサイト
テンプレートを表示

電信八号(でんしんはちごう)は、電八倶楽部および電八開発倶楽部が開発しているMicrosoft Windows 上で動作する電子メールクライアントである。「八号」はアラビア数字ではなく漢数字である。電八とも略される。

1995年9月頃に石岡隆光がWindows 3.1用(16ビット版)の電子メールクライアントとして最初のバージョンをリリースした。1996年にはWindows 95用(32ビット版)をリリースした。しかし、1998年頃には作者の開発継続の意欲が低下し、事実上の停止状態となった[1]

ソフトウェアの継続・発展を望む川瀬裕は、作者の石岡へソースコード公開の要望をし、1999年7月13日、ソースコードの提供を受け、開発を引き継いだ[1]。その際、改変権と再配布権がライセンスされ、それに従って運営する電信八号オフィシャルサイトを立ち上げた。以降は川瀬裕が主宰する電八倶楽部および電八開発倶楽部が開発を行った。

リリース

バージョン表記

16ビット版は1.7b1のように表記され、32ビット版は321.0b2のように最初に32がつく。電八倶楽部への移行後は、32.1.3.1のように「.」で区切るようになった。

リリース履歴

  • 1995年9月or10月頃 - 最初のバージョンをAsahi ネットのソフトウェア掲示板に投稿[1]
  • 1996年1月16日 - 最初の32ビット版となるVersion 321.0b1リリース
  • 1996年7月23日 - Version 1.9b1リリース。16ビット版の最後のリリース。
  • 1997年8月2日 - Version 321.1b7リリース。石岡よりリリースされた最後の正式版。
  • 1998年5月3日 - 開発室版 Version 321.2b5リリース。石岡よりリリースされた最後の版。
  • 1999年7月13日 - 開発が電八倶楽部に移管された。
  • 2000年3月31日 - V321.2b6-stable リリース。電八倶楽部として最初の正式版。
  • 2000年4月16日 - Vectorに登録
  • 2021年10月10日 - Version 32.1.7.5 リリース。32ビット版の最新のリリース。

評価

受賞歴

1996年 第5回フリーソフトウェア大賞 入賞[2]

シェア

1998年3月頃 0.9% iMi調べ[3]

2001年3月頃 0.2% iMi調べ[4]

2003年6月頃 1.7% IT Pro調べ[5]

ダウンロード数

2001年リリースのV32.1.3.1 sp2は、延べ125,016回(公式サイト77,505回、Vector47,511回)[6]

2014年リリースのV32.1.7.3は、延べ9,014回(公式サイトのみ。Vectorでは配布していない)[6]

機能・特徴

  • 送信プロトコルは、SMTP、POP before SMTP、SMTP-AUTH、SMTPS(Windows7以降のみ)に対応[7]
  • 受信プロトコルは、POP3APOP、POP3S(Windows7以降のみ)に対応[7]IMAP4LDAPには非対応である[8]
  • お助けツール(外部ソフト)のプラグインの使用により、本体に実装されていない機能を拡張して利用できる[9]
  • 送受信したメールは、指定フォルダへテキストファイルとして保存される。それをテキストエディタで開くことでメール本文を表示する。HTMLメールは、HTML が添付ファイルとして認識される。
  • 1メール1ファイル式で記録していくため、HDDのクラスターサイズの影響を受け、ディスク占有サイズが大きくなる。1990年代はHDDの容量が小さくこれが問題視されることもあったが、2000年以降、ハードディスクの大容量化に伴い、問題ではなくなった。
  • 受信前にサーバ上のメールの一覧を表示し、送信元や件名などを確認した上で選択して受信や削除ができる。
  • 正規表現によるメールの自動振り分け機能がある。
  • メールの作成・返信の際、正規表現を使って、宛先などに応じたメールテンプレートの自動選択が可能。
  • MIMEContent-Type: に対応する処理を電信八号側で設定できるため、レジストリ改竄による望まないアプリケーションの実行を抑止することが可能。
  • 多国語対応が充分でなく、メールのリスト表示が日本語 (Shift_JIS) の範囲でしか行えない。

脚注

  1. ^ a b c 電八倶楽部「電信八号」インタビュー記録 2002 年 10 月 5 日”. 2019年4月4日閲覧。
  2. ^ FSP_Report FSP'96”. www.nmda.or.jp. 2019年4月3日閲覧。
  3. ^ iMi調べ結果掲載ページ -第14回-”. web.archive.org (2002年8月28日). 2019年4月3日閲覧。
  4. ^ iMi調べ結果掲載ページ -第41回-”. web.archive.org (2003年2月28日). 2019年4月3日閲覧。
  5. ^ xTECH(クロステック), 日経. “【結果発表】HTMLメールをどう思いますか?”. 日経 xTECH(クロステック). 2019年4月3日閲覧。
  6. ^ a b ◆◆ インターネットメーラー 電信八号 ― ダウンロード ◆◆”. www.denshin8.jp. 2019年4月5日閲覧。
  7. ^ a b Readme.txt”. 2022年2月7日閲覧。
  8. ^ メールソフトの次世代標準対応状況”. internet.watch.impress.co.jp. 2019年4月5日閲覧。
  9. ^ ◆◆ 電信八号 ― 電信八号の仲間たち・拡大版 ◆◆”. www.denshin8.jp. 2019年4月5日閲覧。

関連項目

外部リンク