間崎ルリ子
間崎ルリ子(まさき るりこ、1937年 - )は、日本の児童文学翻訳家・文芸評論家。 長崎県生まれ。慶應義塾大学図書館学科卒業。その後渡米し、ボストンのシモンズ・カレッジで図書館学を学ぶ。卒業後、ニューヨーク公共図書館児童室に勤務。1963年翻訳した『もりのなか』はロングセラー。帰国後1968年より2015年まで[1]47年間にわたり、神戸市東灘区で毎週土曜午後1時から5時まで私設の児童図書館(子ども文庫)「鴨の子文庫」を開いていた[2]。
鴨の子文庫の蔵書は5000冊近くあり、絵本の占める割合は約37%だった[2]。本の貸出のほか、小さい子向け(親から離れて言葉に耳を傾け、楽しめるようになった子どもが対象[2])と大きな人向け(小学3年生以上が対象[2])の2回の「おはなしの時間」を、子どもだけが入る部屋(おはなしの部屋)でろうそくの明かりの中で行っていた[1]。
著書
- 『ストーリーテリング 現代におけるおはなし』児童図書館研究会 1987
共編著
翻訳
- マリー・ホール・エッツ『もりのなか』福音館書店 1963
- バーナディン・クック文 レミイ・チャーリップ絵『いたずらこねこ』福音館書店 1964
- 『アイルランドのむかしばなし』バージニア・ハビランド 再話 福音館書店 1967
- 『スペインのむかしばなし』バージニア・ハビランド再話 福音館書店 1967
- フィリス・マッギンリー『みにくいおひめさま』学習研究社 1968 のち瑞雲舎
- マリー・ホール・エッツ『またもりへ』福音館書店 1969
- 『おひとよしだらけ チェコスロバキアの昔話』啓林館編 文研出版 1978
- マリー・ホール・エッツ『あるあさ、ぼくは…』ペンギン社 1981
- ドロシー・マリノ『くんちゃんのはじめてのがっこう』ペンギン社 1982
- ドロシー・マリノ『くんちゃんのはたけしごと』ペンギン社 1983
- ドロシー・マリノ『くんちゃんのもりのキャンプ』ペンギン社 1983
- ドロシー・マリノ『くんちゃんはおおいそがし』ペンギン社 1983
- ジャン=ルイ・シュバリエ=ボゼ『ちいさなくも』リュト・アンホフ訳 石川晴子共訳 ブック・ローン出版 1983
- ドロシー・マリノ『くんちゃんとにじ』ペンギン社 1984
- フィービとジョーン・ウォージントン『うえきやのくまさん』福音館書店 1987
- フィービとセルビ・ウォージントン『パンやのくまさん』福音館書店 1987
- フィービとセルビ・ウォージントン『ゆうびんやのくまさん』福音館書店 1987
- ビアトリクス・ポター『こぶたのピグリン・ブランドのおはなし』福音館書店 1988 ピーターラビットの絵本
- ビアトリクス・ポター『ずるいねこのおはなし』福音館書店 1988 ピーターラビットの絵本
- ビアトリクス・ポター『こぶたのロビンソンのおはなし』福音館書店 1993 ピーターラビットの絵本
- マージョリー・フラック文 クルト・ヴィーゼ絵『あひるのピンのぼうけん』瑞雲舎 1994
- ビアトリクス・ポター『ピーターラビット全おはなし集』石井桃子、中川李枝子共訳 福音館書店、1994
- ウォルター・デ・ラ・メア詩 エドワード・アーディゾーニ絵『孔雀のパイ 詩集』瑞雲舎 1997
- バーナディン・クック『スージーをさがして』福音館書店 1997
- フィービとジョーン・ウォージントン『ぼくじょうのくまさん』童話館出版 1997
- ロバート・マックロスキー『ハーモニカのめいじんレンティル』国土社 2000
- ラリー・デーン・ブリマー文 ホセ・アルエゴ,アリアンヌ・デューイ絵『すえっこおおかみ』あすなろ書房 2003
- ジーン・ジオン文 マーガレット・ブロイ・グレアム絵『あっおちてくるふってくる』あすなろ書房 2005
- マージョリー・フラック『ウイリアムのこねこ』新風舎 2005
- ロバート・クラウス文 ホセ・アルエゴ,アリアンヌ・デューイ絵『でておいで、ねずみくん』アリス館 2005
- ドロシー・マリノ『マイケルとスーザンは一年生』アリス館 2006
- マージョリー・フラック『ベスとアンガス』アリス館 2007
- マリー・ホール・エッツ『おやすみ、かけす』大日本図書 2008
- マリー・ホール・エッツ『トプシーとアンガス』アリス館 2008
- エリン・グリーン『ストーリーテリング その心と技』芦田悦子、太田典子共訳 こぐま社 2009
- アニス・ダフ『つばさの贈り物 本を通して家族と共に分かち合ったよろこびのかずかず』大江栄子、渡邉淑子共訳 京都修学社 2009
- ロバート・ルイス・スティーヴンソン『ある子どもの詩の庭で』瑞雲舎 2010
- マイラ・ベリー・ブラウン文 ドロシー・マリノ絵『ベンジーのもうふ』あすなろ書房 2010
- マイラ・ベリー・ブラウン文 ドロシー・マリノ絵『スティーヴィーのこいぬ』あすなろ書房 2011
参照
- ^ a b “神戸新聞NEXT|わが町リポート神戸|【東灘区】ありがとう鴨の子文庫”. www.kobe-np.co.jp. 2018年9月12日閲覧。
- ^ a b c d 間崎ルリ子 著「文庫活動を通して」、中川素子、吉田新一; 石井光恵 ほか 編『絵本の事典』朝倉書店、2011年、554-555頁。ISBN 9784254680225。