長野市ボブスレー・リュージュパーク
長野市ボブスレー・リュージュパーク スパイラル | |
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施設情報 | |
所在地 | 長野県長野市中曽根3700 |
位置 | 北緯36度42分39秒 東経138度09分27秒 / 北緯36.71083度 東経138.15750度座標: 北緯36度42分39秒 東経138度09分27秒 / 北緯36.71083度 東経138.15750度 |
所有者 | 長野市 |
建設費 | 101億円 |
使用チーム、大会 | |
1998年長野オリンピック | |
収容人員 | |
10,000人 |
長野市ボブスレー・リュージュパーク(ながのしボブスレー・リュージュパーク)は、長野県長野市中曽根にある世界最南端に位置するボブスレー・リュージュ・スケルトン兼用のそり競技施設である。1998年長野オリンピックのボブスレー・リュージュ会場として使用された。愛称はスパイラル。
概要
長野市の直営施設で、全長は1,700m。コースは人工凍結方式でアンモニア間接冷却方式が採用されている。長野オリンピックの基本理念である「自然との共存」を踏まえ、地形改変を極力抑えたためにコースの途中に5%、15%の2か所の上り坂がある。
用地費6億円・工事費95億円の合計101億円かけて建設された[1][2]。長野オリンピック後は、人工凍結方式であるために施設の維持運用に多額の費用が必要であり、維持管理費2億2千万円に対し国からのナショナルトレーニングセンター(NTC)強化事業委託費約1億円や利用料収入700万円程度で赤字運営に陥り、またNTC指定に伴いイベント開催やレジャー施設への転用といった一般利用が制限された事から経営難が慢性化し[2]、競技人口が少ないために利用料収入で費用を賄えない状況であったが、廃止した場合は国に対して補助金を返還しなければならず、また2000年に札幌市の手稲山ボブスレーコースが廃止されて以降、公式競技が行える日本で唯一(かつアジアで唯一)のコースであったため、簡単には廃止できない状況にあった。
2016年10月、2018年度以降の10年間で運営を継続する場合の試算は最大で約31億2000万円の負担となることが分かった。競技団体関係者からは存続を求める声が強かったが、2018年冬季オリンピックが行われる平昌に同様の施設ができたこともあり、2017年4月10日、翌年以降の製氷を休止することが発表され、競技施設としては使用されないこととなった[3]。その後施設の経営は2017年末時点で収入が500万円・運営費が1900万円程度となり、国内での競技施設を失った日本のソリ競技選手はカナダやドイツでのトレーニングを余儀なくされている[2]。
冬季使用休止後は日本ノルディックフィットネス協会の助言を受けて2019年5月11日より「長野市スパイラルノルディックウォーキングコース」として夏季のノルディックウォーキング施設に転用し開業。滑走コースと管理用道路を用いた舗装路3kmの初心者用コースと森林内の急勾配の未舗装路を加えた5kmの上級者用コースが整備された[4]。
2019年7月には札幌市の2030年冬季オリンピック招致計画に際し競技会場としての再活用を行う案を長野市が了承[5]、2020年3月31日に覚書を締結した[6]。
開催された主な競技大会
- 1998年長野オリンピックのリュージュ競技
- 1998年長野オリンピックのボブスレー競技
- FIBT世界選手権(2003年、スケルトンの部)
- リュージュ世界選手権(2004年)
- 全日本スケルトン選手権大会
- 全日本ボブスレー選手権大会
- 全日本リュージュ選手権大会
脚注
- ^ 「終了後」を見据えたオリンピック施設整備のあり方 (PDF) (大和総研 2014年2月24日)
- ^ a b c 長野五輪の遺産「スパイラル」休止に学ぶ教訓 - 東洋経済ONLINE 2019年5月23日
- ^ “「スパイラル休止」発表 長野市 NTC指定 国と協議へ”. 信毎Web (信濃毎日新聞). (2017年4月11日). オリジナルの2017年4月12日時点におけるアーカイブ。 2017年4月13日閲覧。
- ^ 長野五輪遺産 「スパイラル」再活用 ウォーキングコースに - 読売新聞2019年5月9日
- ^ 長野市、スパイラル活用を了承 30年札幌五輪誘致で - 日本経済新聞2019年7月31日
- ^ 長野市、札幌市とスパイラル使用の覚書を締結 - 日本経済新聞2020年4月1日
外部リンク
- 長野市ボブスレー・リュージュパーク(スパイラル)のご案内 - 長野市教育委員会