臼杵煎餅
臼杵煎餅 (うすきせんべい)は、大分県臼杵市の銘菓で、小麦粉、砂糖、鶏卵に膨張剤を加えた生地のせんべいに、臼杵特産の生姜と砂糖を混ぜ合わせた蜜を塗ってさらに焼き上げた焼き菓子である。
概要
鞍形に手曲げされた全体の形は、臼杵の地名にも由来する臼を表し、蜜の白い刷毛目模様は木目を表現している。最近では割れにくく、携帯に便利な平らな円盤のものもある。
「臼杵煎餅」は、代表的な後藤製菓をはじめ、丸寿(まるす)製菓、桜や、村上煎餅本舗など、臼杵市内の複数の菓子店で製造・販売されている。包装には、臼杵を代表する文化財である臼杵石仏の大日如来像が使われている。
約400年前に臼杵藩の城主として稲葉氏が入国した当時、保存食として用いられていた米、麦、粟、稗などの穀物を材料に焼いた食品が始まりで、時代とともに形を変え現在に伝わったと言われる。後に、小麦粉を主原料にし、生姜風味としたものが作られ、土産菓子として人気を得た。
生姜による独特の風味は好き嫌いが分かれやすいため、幼少期の食経験として大分県民に強い印象を残している場合が多い。
派生商品
黒餅衛
黒餅衛(くろべえ)は臼杵煎餅から派生した石仏観光センターの販売商品。平らに焼いた生地の中には竹炭を練りこんでいるため、生姜蜜の刷毛目の白と黒でコントラストの強いストライプ模様が出ているのが特徴。
大分県は竹を利用する文化が盛んで、特に臼杵は11月に二王座周辺で行われる「うすき竹宵」も有名であることから、臼杵と竹の関係は深く、これにちなんで開発された。竹炭には体内の老廃物の排出を促す作用もあるともいわれている。味は従来のものとさほど変わりがない。
うさぎのこしかけ
石仏観光センターの商品で、手曲げで焼いた臼杵煎餅でアイスクリームを挟んだ菓子。持ち帰りには不向きなため、店頭のみの販売。
臼杵せんべいソフト
石仏観光センターの商品で、砕いた臼杵煎餅と黒餅衛と蜂蜜をトッピングしたカップ入りソフトクリーム。店頭販売のみ。