美森の大ヤマツツジ

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美森の大ヤマツツジ。
指定樹の個体。樹勢は衰え枯死した部位が目立つ。2011年6月21日撮影。

美森の大ヤマツツジ(うつくしもりのおおヤマツツジ)は、山梨県北杜市清里高原にあるヤマツツジ(学名:Rhododendron kaempferi)の巨木。

ヤマツツジ列では唯一の日本国指定の天然記念物であり、ツツジでは他に例を見ない巨木である。

解説[編集]

美森の大ヤマツツジの位置(山梨県内)
美し森の 大ヤマ ツツジ
美し森の
大ヤマ
ツツジ
美し森の大ヤマツツジの位置

八ヶ岳主峰赤岳東麓に広がる清里高原の展望台として知られる美し森(標高1542メートル)の南側、カラマツの深い樹林帯の中にある。

この辺り一帯はレンゲツツジサラサドウダントウゴクミツバツツジなど、多くのツツジが自生しており、昭和初期には、このツツジ群落全体が山梨県の天然記念物に指定されたこともあり、昭和5年の調査では3本のヤマツツジの巨木があったことが資料に記されている[1]

天然記念物に指定された大ヤマツツジは1本で、樹高が2.5m、回り2.7m、枝回り24mもある巨大なもので、1935年昭和10年)6月7日に国の天然記念物に指定された[2]。近年では老衰による樹勢の衰え、また1996年平成8年)の異常低温などにより、株の大半が枯死してしまったが、周囲には多くのヤマツツジが見られる。例年6月中旬より下旬にかけて開花する。

交通アクセス[編集]

所在地
  • 山梨県北杜市大泉町西井出字石堂殿上
交通

参考文献[編集]

  • 加藤陸奥雄他編『日本の天然記念物』、講談社、1995年3月20日 第1刷 p.465、p.467 ISBN 4-06-180589-4

脚注・出典[編集]

  1. ^ 山梨県:史蹟名勝天然記念物調査報告書第3輯 昭和3年、山梨県:『山梨県名木誌』 昭和5年
  2. ^ 文化庁国指定文化財等データベース - 美森の大ヤマツツジ

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

座標: 北緯35度56分6.4秒 東経138度25分10.4秒 / 北緯35.935111度 東経138.419556度 / 35.935111; 138.419556