田川市コミュニティバス

田川市コミュニティバス（たがわしコミュニティバス）は、福岡県田川市が田川市内各地で運行しているコミュニティバスである。

2010年10月1日運行開始以来、田川市内でタクシー・貸切バス事業を行う田川構内自動車が運行を受託している。田川市役所における事業の所管は商工観光課広域観光交通係である。

沿革

田川市内でバスを運行していた西鉄バス筑豊が2000年代から市内バス路線の廃止を進め、市内に多数の公共交通空白地域が発生したことを受け、2008年9月9日に住民代表、学識経験者、商工団体代表、田川市内で運行する鉄道・バス・タクシー事業者、関係行政機関などで構成する田川市地域公共交通会議を設置し、同会議での協議検討に基づき運行開始された。

まず2010年9月30日限りで廃止された西鉄バス筑豊の後藤寺 - 坂谷間の代替として、翌10月1日から社会保険田川病院 - 坂谷間でジャンボタクシー車両を使用した乗合タクシーとして運行開始し、さらに2011年10月3日には西鉄バス路線廃止で公共交通空白地域となっていた地域を中心に4路線を開設している。2012年10月には1路線を新設した。

2011年の4路線新設に伴い、マイクロバス公用車を使用した無料循環バスとスマイルプラザ送迎バス「ふれあい号」は廃止された。

年表

2010年 10月1日坂谷・田川病院線の運行を開始。
2011年 10月3日大浦・弓削田線、伊加利線、鎮西・金川線と、田川市が無料で運行する施設循環線の4路線を新設、計5路線での運行開始。
2012年10月1日 - ダイヤ改正。伊加利線の延長（伊加利・松原線に改称）、施設循環線の田川構内自動車への委託化および有料化、白鳥工業団地線の新設が実施されたほか、回数券・定期券・1日フリー乗車券の発売開始。

路線

現在6路線を運行している。いずれも往復運行である。すべての路線が発着する停留所はない。各路線とも、田川後藤寺駅前・田川伊田駅前の少なくとも一方に発着する。

全路線とも平日のみの運行で、概ね6時台から19時台まで運行される。土曜・日曜・祝祭日および12月30日から1月3日までは運休する。

坂谷・田川病院線

経路: 坂谷 - 三軒屋 - 猪国集落 - 木城口 - 猪膝集落 - 猪位金小学校 - 太祖神社前 - 金国 - 分院前 - 位登八幡 - 上位登 - 下位登 - 位登産業 - トライアル田川後藤寺店前 - 生目神社 - 中郷 - 上弓削田 - 弓削田 - 西鉄後藤寺 - 春日橋 - 春日神社前 - 後藤寺バスセンター - 後藤寺駅前 - 社会保険田川病院

2010年10月1日に運行開始。主に国道322号を経由し、後藤寺地区と市域南部の位登・猪位金・猪膝などを結ぶ。西鉄バスの後藤寺 - 坂谷間の代替として運行開始したが、三軒屋・猪国・猪膝地区では西鉄バスと異なり国道322号より西側の集落内を運行し、この集落内はフリー乗降制となっている。起終点の坂谷にて嘉麻市バス（山田バス）の路線と接続し、乗り継ぎにより田川市と嘉麻市の旧山田市域との間を移動できる。

2012年10月1日のダイヤ改正で車両がジャンボタクシーからマイクロバスに置き換えられ、フリー乗降区間の経路が短縮された。

坂谷発が8本、坂谷行きが6本運行される。

大浦・弓削田線

経路: 上ノ山団地 - 県住大浦団地 - サンリット産業 - 東団地2棟駐車場前 - 後藤寺第2地区3町内集会所 - 藤下医院前 - 後藤寺西団地 - 後藤寺駅前 - 後藤寺バスセンター - 春日神社前 - 春日橋 - 西鉄後藤寺 - 弓削田 - 上弓削田公民館 - 文字山公民館 - コーポ谷口前 - 文字山団地 - 角銅原交差点 - 弓削田中学校 - 九電変電所横 - 井上商店前 - 川宮 - 西岸寺前 - 大藪小学校前 - メルクス前 - 田川科学技術高校 - 田川市立病院

2011年10月3日に運行開始。田川後藤寺駅の南側にある大浦団地から田川後藤寺駅、同駅西側の弓削田を通り、市域北部の田川市立病院に至る路線。

後藤寺駅前発着の区間便を含め7.5往復運行。

伊加利・松原線

経路: 山賊鍋 - 平原公民館 - 平原郵便局 - 砥石 - 城山団地入口 - 城山団地 - 月美台 - 県営中央団地 - 中央団地なかしま理容店前 - 芳ヶ谷団地第一集会所前 - 鎮西白鳥口 - 成道寺前 - 古賀町 - 新橋 - 村上外科前 - 伊田駅前 - 伊田本町口 - 南大通り - 総合庁舎前 - 松原団地 - メルクス前 - 田川科学技術高校 - 田川市立病院

2011年10月3日に運行開始。市域南東部の伊加利から田川伊田駅を経て市域北部の田川市立病院に至る路線。当初は伊加利線と称し、山賊鍋 - 伊田駅前間の運行であったが、2012年10月1日に伊田駅前 - 松原団地 - 田川市立病院間を新設し、路線名を変更した。

伊田駅前発着の区間便を含め7.5往復運行。

鎮西・金川線

経路: 山賊鍋 - 赤子（丸山組前） - 道手 - 伊加利公民館 - 田中 - 下伊加利（佐々木商店前） - 鎮西中学校前 - 高源寺 - R SHOPなかがみ前 - 菖蒲ヶ迫池入口 - 鎮西保育園 - 鎮西公園前 - 上伊田駅 - 稲荷町 - 光工業 - 古賀町 - 新橋 - 村上外科前 - 伊田駅前 - 伊田本町口 - 南大通り - 県立大学（旧門前） - 県立大学（正門前） - 下伊田 - 緑ヶ丘 - 吉田公民館前 - 金川農協 - 糒東公民館 - 糒郵便局 - 昭和団地前 - 田川市立病院

2011年10月3日に運行開始。市域東端部の鎮西地区や田川伊田駅、福岡県立大学、北東部の金川地区を経由する路線。2012年10月1日のダイヤ改正で坂谷・田川病院線と入れ替わりに車両がマイクロバスからジャンボタクシーに置き換えられた。

伊田駅前発着の区間便を含め6.5往復運行。

施設循環線

経路: 後藤寺駅前 - 後藤寺西団地 - 青少年文化ホール（田川警察署側） - 田川市役所玄関前 - 田川市役所 - 青少年文化ホール（文化ホール側） - 田川市民会館 - 総合体育館 - 三井伊田団地 - 石炭・歴史博物館 - スマイルプラザ - 鎮西第一集会所 - 鎮西集会所 - 鎮西団地 - 成道寺前 - 古賀町 - 新橋 - 村上外科前 - 伊田駅前

2011年10月3日に運行開始。市役所、石炭・歴史博物館、スマイルプラザなど、田川伊田駅と田川後藤寺駅の間の市中心部にある公共施設を経由する。「循環線」と名乗るが、他路線と同様の往復運行である。

運行開始当初は他路線との乗り継ぎによる割高感をなくすため田川市が無料で運行していたが、2012年10月1日に有料化された。

5往復運行。

白鳥工業団地線

経路: 後藤寺駅前 - 白鳥工業団地 - 東鷹高校 - 伊田駅前

2012年10月1日に運行開始。田川後藤寺駅・田川伊田駅と白鳥工業団地、東鷹高校を結ぶ路線。

朝夕のみ運行。後藤寺駅前発が朝夕1本ずつ計2本、伊田駅前発が朝夕2本ずつ計4本の運行。

運賃

運賃は小学生以上が1回乗車につき200円均一。小学生未満は無料。上述のように2012年10月1日のダイヤ改正時より回数券（200円券11枚つづりで2,000円）、定期券（全線に1か月有効で6,000円）、1日フリー乗車券（500円、発行日限り有効）が発売されている。

伊田商店街と後藤寺商店街では商店街で買い物をすると片道分の無料乗車券が発行される。

車両

田川構内自動車が保有する車両に行先・路線名などを掲示し、コミュニティバスとして使用している。鎮西・金川線は9人乗りのジャンボタクシー車両（トヨタ・ハイエース）、それ以外の路線では28人乗りのマイクロバス車両（日産・シビリアン）が使用されている。

参考文献

田川市『広報たがわ』（市広報誌）
- 2011年9月15日号 pp.2-3 田川市コミュニティバス
- 2012年9月15日号 pp.2-3 田川市コミュニティバスの運行内容が変わります
国土交通省九州運輸局『地域内フィーダー系統に関する市町村の取組み事例集』 (PDF) pp.10-11 田川市コミュニティバスの取組み