狂い咲きサンダーロード
狂い咲きサンダーロード(くるいざき - )は、1980年製作の日本映画。
監督である石井聰亙の日本大学芸術学部の卒業制作として製作された。東映により劇場公開されている。
劇団GAYAの俳優であった山田辰夫、そして日大の後輩にあたる中島陽典の劇場デビュー作。また、助監督として緒方明が参加している。
泉谷しげる、パンタ&ハル、THE MODSらの楽曲が音楽として使用された。
物語
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
幻の街サンダーロードでは、規制の厳しくなる新道交法施行を機に複数の暴走族が休戦協定を結んでエルボー連合を名乗り、「愛される暴走族」への方針転換を図っていた。しかし鉄人暴走族・魔墓呂死(まぼろし)の特攻隊長である仁(ジン・山田辰夫)と少数の仲間達は、そんな日和ったエルボー連合や魔墓呂死のリーダー健に反旗を翻し、自分達が新しい魔墓呂死だと名乗り、連合相手に暴走・暴力行為を繰り返す。手を焼いた連合は、仁と仲間達を総動員で潰しにかかり、抗争は激化していく。
一方でかつての魔墓呂死を創設した元・リーダーであり、今は「スーパー右翼・国防挺身隊」を率いている岩見剛(タケシ・小林稔侍)は、ジンのカリスマ性と無軌道さに惚れ込んでおり、多勢のエルボー連合に囲まれ殺されかけていた仁達を救い、スーパー右翼に入団させる(剛は同性愛者であり、恋愛的観点からも「惚れ込んでいた」)。仲間の茂はタケシの愛人、更には幹部となりスーパー右翼軍に順応していくが、仁と忠、英二はスーパー右翼の主義や規律に嫌気が差して脱退する。街に戻った3人はエルボー連合とスーパー右翼を敵に回すことになり、再び暴走に繰り出すも襲撃され、仁は右手と右足のつま先(=バイクのブレーキ操作に必須)をチェーンソーで切り落とされる。忠は仁のバイクを盗んで逃げ出し、英二も襲撃を受けて植物状態にされてしまった。バイクに乗る手段を絶たれ、孤独になった仁はひたすら憎悪を募らせる。
そして絶望の中、仁は武器を調達し、決心する。「街中のやつら、全員ぶっ潰してやる」と。