熊手
熊手(くまで)とは、農業や庭の掃除に使われる、短い歯を粗い櫛状にならべた棒を垂直に柄に取り付けた農具。レーキ、手把(しゅは)、馬耙・馬鍬(まぐわ・まんが)とも呼称される。
農具としての熊手
熊手は枯れ葉を集めたり干し草をかき寄せたり、土を柔らかくしたり平らにならしたりなど、いろいろな用途に使われる。
現代的な熊手は、歯が鋼鉄、プラスチックなどで作られているが、かつては木や鋳鉄で作られていたものもあった。柄は多くは竹製か金属パイプでできている。竹製のものなど伝統的な形の熊手は、歯の部分が長くて扇子のような形で作られていることもある。
農業機械に分類されるような巨大な熊手は、湾曲した鋼鉄製の歯を取り付けた棒を車輪に搭載し、トラクターで牽引して使用する。 この形のものは、農業機械が発達するまえの農耕馬の時代から伝わっている。
潮干狩りに使われる熊手は農具とは形がやや異なる。
縁起物としての熊手
日本では、幸運や金運を「かき集める」という意味を込めて、商売繁盛の縁起物として熊手を飾る事がある。主に毎年11月の酉の日に神社で開催される酉の市などで販売されている。
毎年、昨年度の物より大きい物を購入するのが商売繁盛等につながるとされている。
武器としての熊手
長い柄の先に熊の手を模した鉄製の爪をつけたもので、平安時代末期より武器として使用された。敵を引っ掛けて倒したり、馬上から引きずり下ろしたりするなどの目的で用いられた。
平頼盛は兜の頂に熊手を掛けられ、また、平徳子は入水自殺を熊手によって阻まれた。弁慶が背負った七つ道具の一つに熊手があったと伝えられている。
中国では耙、鈀、杷、扒、叉(釵)と呼ばれ、長柄の先に三股の尖器を取り付けたもので南派で発達した。わずかな形状と装飾の違いでいくつか種類があり、変形して二股のものあり火叉、叉竿と呼ばれる。日本の熊手のような多数の鋭刃を並列させた鈀頭と呼ばれるものもある。木製の耙は木耙と呼ばれ柄も先端もすべて硬い木(棗、栗、檜、檀など)でできていて全体がY字に近い形をしているが柄が二股の間に突き出て三股になったものもある。鉄製のものは鉄耙がある。
関連項目
リファレンス
en:Rake (tool) 14:26, 23 November 2005 から翻訳、著者 en:User:Bogdangiusca,en:User:Smurrayinchester ほか
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