水道管

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水道管(すいどうかん)は、 飲料水洗濯入浴炊事などに必要なを、 家庭学校企業など、人々が生活・活動する場所に送り、 その場所から出た使用済みの汚水)を下水処理場に送る配管のこと。

浄水場・下水処理場から各戸までは地下埋設で水道管が接続される。

日本の上水道の給水装置の新設や改修工事等は、水道法に基づいて指定された指定給水装置工事事業者が行う。

水道管の種類

日本では以下の材質の管が使われる。 主流はライニング鋼管およびステンレス管。

  • 複合管 鉄製の管内部をプラスチックでコーティングしたもの
    • 塩ビライニング鋼管

そのうち鉛管は鉛が水中に溶け出し、摂取者が鉛中毒に罹患する危険があるため、現在新規には使われない。 鉛管は取替が進められているが、予算の問題などで工事が進まず、いまだ使われている場合が多い。なお、未だ鉛管を使っている場合は、朝最初に蛇口をひねった場合は最初にある程度水を流して、水道管内に蓄積した溶出した鉛を出すことが推奨されている。 現在、鉛管による健康被害は確認されていない。 古代ローマ帝国では鉛管を使用していたが、これを帝国滅亡の原因とする説が一部に存在した。ただし古代ローマの水道管には蛇口が存在せず(工事の際の止水栓はある)、水は常時流されていたので、現代よりもむしろ溶出した鉛を摂取する危険は小さく、俗説扱いされている[要出典]

赤水

水道管内部や継手腐食によりが水内に溶け出す現象。亜鉛めっき鋼管を使用した建物に多い。亜鉛めっき鋼管は内部が亜鉛めっきされており、これにより腐食を防ぐが、水内の酸素塩素の作用によりめっきがなくなり、腐食する。

水道水として硬水が供給されている地域では水道管内でカルシウムが析出して膜を作るため、鉄管を使用していても赤水が出ることはほとんどない。(ただし大量のカルシウムの付着により詰まる場合がある)。

ライニング鋼管の対策

防食処理のなされた塩ビライニング鋼管を使用している場合でも、管の切断端部や接続ねじ部におけるコーティングの切れや不備によって金属が露出したり、接続されるバルブが異種金属であったりすることなどにより錆が出る場合がある。

近年、こうした腐食を防止するため、継手やバルブの内部にプラスチック製のコアを取付け、接続部周辺を内側から完全に覆うような防食対策を施した継手やバルブが製造・販売されるようになっている(コア継手、コア付バルブなどと呼ぶ)。

老朽化の問題

水道管にも耐用年数があるが、交換を始めとした予防的なメンテナンスは、事業規模から後回しになることが多く、時折、大規模な破裂事故が話題となる。アメリカ合衆国の例では、2008年12月23日にワシントンD.C.にて直径約170センチの水道管が破裂。発生した激流により自動車が押し流されたため、ヘリコプターにより女性と子どもらを救出するという事故が生じている[2]。日本でも、全国の水道管の総延長約61万kmのうち、約3万800kmが法定耐用年数(40年)を過ぎており、事故等が懸念されている[3]

脚注

  1. ^ ポリブテン管の特徴と用途 ポリブテンパイプ工業会
  2. ^ 水道管破裂で激流に!レスキュー隊も出動 日テレNews24(2008年12月24日)
  3. ^ 水道管:3万8000キロ、耐用年数超え 財政難、更新進まず 毎日新聞(2010年5月7日)

関連項目

外部リンク