新大分発電所

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

2019年8月3日 (土) 01:42; North land (会話 | 投稿記録) による版 (Category:1991年開業の施設を追加 (HotCat使用))(日時は個人設定で未設定ならUTC

(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
新大分発電所
新大分発電所
新大分発電所の位置(大分県内)
新大分発電所
大分県における新大分発電所の位置
正式名称 九州電力株式会社新大分発電所
日本の旗 日本
所在地 大分県大分市大字青崎4-1
座標 北緯33度16分2.1秒 東経131度42分27.3秒 / 北緯33.267250度 東経131.707583度 / 33.267250; 131.707583 (新大分発電所)座標: 北緯33度16分2.1秒 東経131度42分27.3秒 / 北緯33.267250度 東経131.707583度 / 33.267250; 131.707583 (新大分発電所)
現況 運転中
運転開始 1号系列:1991年6月
2-1号系列:1994年2月
2-2号系列:1995年2月
3-1号系列:1998年7月
3-2号系列:2016年6月
事業主体 九州電力
発電所
主要動力源 LNG
発電機数 14基
熱効率 1号系列:46.3%(HHV)
2号系列:46.6%(HHV)
3-1号系列:49.0%(HHV)
3-2号系列:52.0%(HHV)
コンバインド
サイクル発電
1号系列:CC方式採用
2号系列:ACC方式採用
3-1号系列:ACC方式採用
3-2号系列:MACCII方式採用
発電量
定格出力 総出力:282.5万kW
  1号系列:69万kW
  2号系列:92万kW
  3-1号系列:73.5万kW
  3-2号系列:48万kW
ウェブサイト
新大分発電所
2018年7月9日現在
テンプレートを表示

新大分発電所(しんおおいたはつでんしょ)は、大分県大分市大字青崎4-1にある九州電力天然ガス火力発電所である。

概要[編集]

九州電力で最大の火力発電所である。約280万kWの発電量は大分県内での電力消費量の約2倍にあたる[1]

大野川右岸河口の埋立地(6号地)に位置しており、対岸の1号地に、既に同社の大分発電所が建設されていたため、新大分発電所という名称となった。1991年6月に1号系列が運転を開始し、3号系列までが建設された。

九州電力で初めて天然ガスコンバインドサイクル発電方式を採用した発電所で、効率が高く、しかもガスタービン排熱回収ボイラー蒸気タービン発電機を組み合わせた小容量のユニットを3〜6台ずつグループとして運用するため、起動・停止や出力の変化が速く、また、大容量でありながら出力を絞っても効率の低下が少ないという特徴がある。

1号系列は熱効率向上のため、ガスタービンのリプレース工事を2009年7月より実施している。これにより1,100℃級から1,200℃級に変更され、熱効率が46.3%に向上(+3.3ポイント)する予定である[2]。当初、全軸のリプレースが完了するのは2012年10月頃としていたが、福島第一原発事故の影響で、所有する原子力発電所が再稼働できず火力発電所の稼働率が上昇したため、2014年度に延期された[3]。その後、原発再稼働の遅れに伴い、2018年1月24日にようやく全軸のリプレースが完了した。[4]

2号系列では、利用向上の観点から増出力試験を行い定格出力を5万kW増加できることを確認、2016年10月3日に定格出力の変更を行った。なお、これによる設備改造等はない[5]

発電設備[編集]

  • 総出力:282.5万kW(2018年7月9日現在)
1号系列
発電方式:1,200℃級コンバインドサイクル発電(Combined Cycle)方式
定格出力:69万kW(11.5万kW × 6軸)
 ガスタービン:7.63万kW × 6軸
 蒸気タービン:3.87万kW × 6軸
使用燃料:LNG
熱効率:46.3%(高位発熱量基準)
営業運転開始:1991年6月
ガスタービン更新:2009年~2017年度(東日本大震災から5年間は中断)
2号系列
発電方式:1,300℃級改良型コンバインドサイクル発電(Advanced Combined Cycle)方式
定格出力:92万kW(23万kW × 4軸)
 ガスタービン:14.44万kW × 4軸(増出力前の値)
 蒸気タービン: 7.31万kW × 4軸(増出力前の値)
使用燃料:LNG
熱効率:46.6%(高位発熱量基準)(増出力前の値)
営業運転開始
 2-1号:1994年2月
 2-2号:1995年2月
定格出力変更:2016年10月3日
3-1号系列
発電方式:1,300℃級改良型コンバインドサイクル発電(ACC)方式
定格出力:73.5万kW(24.5万kW × 3軸)
 ガスタービン:16.02万kW × 3軸
 蒸気タービン: 8.48万kW × 3軸
使用燃料:LNG
熱効率:49.0%(高位発熱量基準)
営業運転開始:1998年7月
3-2号系列(3号系列第4軸)[6]
発電方式:1,600℃級コンバインドサイクル発電(More Advanced Combined Cycle II)方式
定格出力:48万kW(48万kW × 1軸)
 ガスタービン × 1軸
 蒸気タービン × 1軸
使用燃料:LNG
熱効率
 52%程度(高位発熱量基準)
 60%程度(低位発熱量基準)
営業運転開始:2016年6月1日

蒸気タービン不具合による対策[編集]

他社で発生した蒸気タービンの振動による自動停止を踏まえ、同型設計の蒸気タービンを使用している3号系列第4軸は暫定対策工事を実施した。このため定格出力は暫定的に45.94万kWとなっている[6]。2018年7月9日に恒久対策が完了し、定格出力の48万kWに回復した。[7]

脚注[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]