左翼手

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左翼手(さよくしゅ)は、野球およびソフトボールポジションのひとつ。

外野手のうち本塁から見て左側を主な守備位置とする選手。中堅手(センター)の隣、遊撃手(ショート)の後方に位置する。英語の Left fielder からレフトとも呼ばれる。守備番号は7。英略字はLFLeft fielderから)。

投手打者捕手一塁手二塁手遊撃手三塁手右翼手中堅手左翼手
野球のポジション図

概要

深さとしてはショート後方からレフト外野フェンスまで、幅ではレフトファウルゾーンからセンターまでの守備範囲を担う。 また三塁牽制や三塁盗塁するための送球のカバーリングを行う。

右翼手と違い走塁により走者が近づいてくる位置にいるため、打球処理後は中継に来た内野手に中継するという役割が多い。 左翼には特に多くを占める右打者による大きな打球が飛びやすく、飛球の確実な捕球能力が求められる。また速い打球を追いかけるための走力と打球判断能力も要求される。また相手の得点を阻止するために本塁送球をする場合も多い。しかし連携などの動き自体は少なく、守備による負担が比較的少ないポジションである。

草野球少年野球などでは、左打者に比べて右打者の数が極めて多く、また引っ張る打球が多くなるため、必然的に打球処理の機会は外野手のうち最も多くなる。少年野球は、守備位置がプロ野球と比べて30メートルくらい前なので、強い打球がレフトに来たら、ファーストに投げられレフトゴロになることもある。しかし、高校野球やプロ野球のように競技レベルが上がってくるにつれ、左打者が増え、右打者も意図的に右方向へのバッティングをする場合が増えてくるため、守備機会は少なくなってゆく。

また、比較的三塁に近いため、右翼手のように遠くまで送球をする必要がない。素早く強い送球を求められる三塁手遊撃手が近くにいるので、彼らとの中継プレーで補えるからである。したがって、俊足・強肩・好守などは要求されず(あるに越した事は無いが、そういう選手はまず中堅手右翼手を担当する)、打撃能力が重視され守備力はそれほど必要とされない。打撃は得意だが守備が苦手なので守る場所が無い、あるいはベテランの域になり守備が負担になってきたという選手に任されることがある。無論、中堅や右翼を普段担当しているからといって左翼は無難にこなせると言う訳でもない。

日本プロ野球でもメジャーリーグでも、守備の負担を軽減するために左翼手に打撃能力の高い選手をおくことが多く、ゴールデングラブ賞などの守備に関するタイトルがそのシーズンでのレフトのレギュラー選手から選出される事はほとんどない(例として2004年の英智[1]。左翼手へのコンバートを予定した上で、打力に優れ守備に劣る内野手などのアマ選手を入団させる事も珍しくない。また高校野球などでエース格の投手を交代せずに休ませる時に比較的負担の少ない左翼手に置くこともある。

脚注

  1. ^ ただし、2011年シーズン終了時点で日本プロ野球における外野手の通算最多補殺記録保持者である山内一弘の守備位置はおもに左翼手であった。