山之村牧場

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山之村牧場株式会社
種類 株式会社
市場情報 非上場
本社所在地 日本の旗 日本
506-1104
岐阜県飛騨市神岡町森茂490番地
設立 2008年11月4日
業種 水産・農林業
法人番号 6200001026142
事業内容 観光牧場・酪農業・乳製品製造・加工肉製品製造
代表者 代表取締役 下梶 勝彦
資本金 910万円
外部リンク https://www.yamanomura-makiba.jp/
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山之村牧場(やまのむらぼくじょう)は、岐阜県飛騨市神岡町森茂1157にある農業公園、牧場

2011年のリニューアルに伴い天空の牧場 山之村に改称したが[1]、2012年に天空の牧場 奥飛騨山之村牧場へと再度改称している。

概要[編集]

山之村とは、この地域の6つの集落の総称である。標高約1,000mの高地であり、過疎化が深刻であった。この地域の活性化を目的に、2000年(平成12年)に吉城郡神岡町が農業公園を計画し、2003年(平成15年)に第三セクター「奥飛騨山之村牧場」が設立された。山之村牧場がオープンしたのは神岡町が合併で飛騨市になった後の2004年(平成14年)4月29日である[2]

20haの敷地を持ち、十数頭のジャージー牛を飼育している。「高原市場エリア」「やまびこエリア」「まきばエリア」の3つに分かれていて(2008年時点)[2]、オリジナルのソーセージヨーグルトプリン等を生産する食品加工プラントや、動物とのふれあい体験コーナー、レストハウス、各種遊戯場、手作り体験教室等がある。 手作り体験教室は、ソーセージ作り、パン作り、アイスクリーム作りの体験が可能。

休園と再開[編集]

当初の運営会社の「奥飛騨山之村牧場」は、神岡町(後に飛騨市)と株式会社ファーム(全国でファームパークを運営)とで設立された第三セクターである。

開業した2004年度の入場者が10万7000人であったのに対し、2007年度には2万人まで落ち込み、累積赤字が2200万円となっていた[3]。しかし生産に限って見れば2007年度の経常収支が20万円と黒字であった[4]。このような状況下で、生産と観光の双方を進めたい飛騨市と、赤字が続いている観光部門を廃して黒字が見込まれる生産に特化したい株式会社ファームとの間で運営方針の対立が発生した。結果、2008年5月に休園、7月に株式会社ファームが運営から撤退、10月に飛騨市が管理者としての指定を取り消すに至った[5]

そこで、山之村牧場の新たな担い手となる会社を目的として、2008年(平成20年)11月、地元有志の出資により会社「山之村牧場」が設立され、2009年(平成21年)4月29日、約1年半ぶりに山之村牧場は再開された。入園料無料[6]

製品[編集]

食品加工プラントとして肉加工房と乳加工房を施設内に有し、ソーセージ、ハムベーコン、ヨーグルト、ドリンクヨーグルト、牛乳プリンを生産している。牧場の観光部門は冬季に休業するが、プラントは年間を通して稼働する。

施設名改称後、一部の製品には「天空の牧場 山之村」と記載するようになったが、多くの製品は山之村牧場ブランドを使用し続けている。

加工肉製品[編集]

  • あらびきソーセージ
山之村牧場の主力製品。岐阜県産の豚肉を使用していることを売りとしている。
  • 黒胡椒ソーセージ
  • ハーブソーセージ
2011年の新商品。
  • ミルクソーセージ
2011年の新商品。牛乳が入った白いソーセージである。
  • 山辛ソーセージ
2011年の新商品。

乳製品[編集]

  • ジャージー牛乳
  • ナチュラルヨーグルト
  • ドリンクヨーグルト
  • 白雪プリン
牛乳プリン。やや小さなカップに入った物は「白雪姫プリン」と名付けられている。

脚注[編集]

  1. ^ 平野誠也「食をより楽しく 神岡の山之村牧場 あす新装オープン」『中日新聞 朝刊 飛騨版』、2011年4月28日、20面。
  2. ^ a b 『神岡町史 通史編Ⅱ』(2008年3月1日、飛騨市教育委員会編集、発行)196ページより。
  3. ^ 「山之村牧場、運営停止を申し入れ 飛騨市と経営巡り対立=岐阜」『読売新聞』、2008年7月29日、31面。
  4. ^ 古池康司「山之村牧場 大型連休 営業できず 市と主張食い違い ファーム『生産部門中心』 飛騨市『観光と一体で』」『中日新聞 朝刊 飛騨版』、2008年5月3日、16面。
  5. ^ 「指定管理取り消し 奥飛騨山之村牧場運営会社 飛騨市 /岐阜県」『朝日新聞』、2008年10月12日、25面。
  6. ^ 「山之村の魅力、再発信 住民ら、奥飛騨の牧場1年ぶりオープン /岐阜県」『朝日新聞』、2009年4月30日、19面。

外部リンク[編集]

座標: 北緯36度22分39秒 東経137度21分57秒 / 北緯36.37753度 東経137.36575度 / 36.37753; 137.36575