尋常性白斑

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尋常性白斑
白斑
概要
診療科 皮膚科学
分類および外部参照情報
ICD-10 L80
ICD-9-CM 709.01
OMIM 193200
DiseasesDB 13965
MedlinePlus 000831
eMedicine derm/453
Patient UK 尋常性白斑
MeSH D014820

尋常性白斑(じんじょうせいはくはん、別名:シロナマズ、: vitiligo vulgaris)は、皮膚色素をつくる部位の損失を不規則に引き起こす、慢性的な皮膚疾患である。後天性疾患であるが、環境的要因で稀に生じる可能性がある。

マイケル・ジャクソンもこの病気を患っており、長らく偏見報道に悩まされていた。皮肉にも彼の病が公的に証明されたのは死後の司法解剖であった[1]

概要

原因は不明な部分が多い。研究の結果、遺伝自己免疫疾患、環境要因の組み合わせにより引き起こされると示唆されている。皮膚の色を構成するメラニンを生成するメラノサイトが消失、あるいは機能停止しているとも示唆されている。

2010年の調査の結果、日本国の疾患発生率は1.68%であった。アメリカ合衆国の疾患発生率は1%-2%と考えられており、全世界では0.5-1%が罹患しているといわれている。20-30%の尋常性白斑患者で家系内発症がみられる。

症状が頭髪部分に来ると、その部分の毛の色が白くなる場合もある。

2012年に日本皮膚科学会によって尋常性白斑診療ガイドラインが策定された。

副腎皮質ホルモン(ステロイド)外用とPUVA療法(紫外線治療)が行われ、最近では、ナローバンドUVB(紫外線B波治療)も行われる。

治療としては日焼けを避けることで、本来の皮膚の色を白くし、患部を比較的目立たなくさせる場合もある。セラピーメイク刺青皮膚移植を行うことで、患部と正常部位の境目を無くしたり目立たなくする例もある。

分類

汎発型
皮膚分節と無関係に脱色素が多発して生じる。徐々に脱色素斑が新生、拡大し、最終的には全身に広がる。甲状腺機能異常が合併することもある。メラノサイトに対する血中自己抗体が出現し、メラノサイトが死滅することにより生じる。よって、自己免疫疾患の一つである。甲状腺機能異常を合併していることが多いのもこの関係があると考えられる。
神経分節型
後天性で、思春期などにおける精神の不安定さがある若年者、またはストレスや皮膚への過剰な刺激を受けた直後に多く発症し、皮膚分節に一致して脱色素斑が出現する。皮膚分節を超えて拡大することはない。体の片側だけに出現することが多い。局所の自律神経障害が原因であるが、正確なことはわかっていない。メラノサイトは完全に死滅していない。

罹患した著名人

関連項目

マイケルの場合ストレスや頭部火傷などによる後天的発症であり、先天的な異常ではない[1]

脚注

  1. ^ a b PDF 検死報告書”. 2014年7月30日閲覧。

外部リンク