安藤宏
安藤 宏(あんどう ひろし、1958年5月27日 - )は、日本文学研究者。専門は日本近代文学、特に太宰治。太宰治作品の戦中・戦後における本文の問題を考察した先駆者[1]。学位は、文学博士(東京大学・論文博士・2012年)(学位論文『近代小説の表現機構』)。東京大学教授。東京都出身[2]。
略歴
- 1977年3月 東京都立新宿高等学校卒業
- 1982年3月 東京大学文学部卒業(国文学専修課程)
- 1987年3月 東京大学大学院人文科学研究科国語国文学専門課程博士課程中退
- 1987年4月 東京大学文学部助手
- 1990年4月 上智大学文学部専任講師
- 1995年4月 助教授
- 1997年4月 東京大学大学院人文社会系研究科助教授
- 2007年4月 准教授
- 2010年4月 教授
- 2012年 『近代小説の表現機構』で東京大学より文学博士の学位を取得。東京大学国文科で近代文学の論文博士は初。
- 2013年 『近代小説の表現機構』でやまなし文学賞、角川源義賞受賞。
エピソード
- 学生時代の恩師は三好行雄。
- 院生時代には予備校講師としてアルバイトをしていた。「現代文の安藤」として予備校の看板になるほど、その授業には定評があった。
- TBS系列のテレビ番組「東大王」に出題者として出演した際には、自身の専門である太宰治に関する問題を出題した。
- クワガタの飼育が趣味である。
- NHK Eテレのテレビ番組「知恵泉」に出演し、太宰治の魅力は「弱さを演じる強さ」であると語った。
著書
- 『自意識の昭和文学―現象としての「私」』至文堂、1994年
- 『太宰治 弱さを演じるということ』ちくま新書、2002年
- 『展望 太宰治』ぎょうせい 2009
- 『近代小説の表現機構』岩波書店、2012年
- 『日本近代小説史』中公選書、2015年、新訂版2020年
- 『「私」をつくる 近代小説の試み』岩波新書、2015年
- 『太宰治論』岩波書店、2021年
共編著
- 『太宰治全作品研究事典』神谷忠孝共編 勉誠社 1995年
- 『近代の日本文学』野山嘉正共編著 放送大学 2001年
- 『日本の小説101』新書館、2003年
- 『読解講義 日本文学の表現機構』高田祐彦共著・渡部泰明共著 岩波書店 2014年
- 『ことばの危機 大学入試改革・教育政策を問う』阿部公彦共著・沼野充義共著・納富信留共著・大西克也共著・東京大学文学部広報委員会共著 集英社新書 2020年
- 『太宰治 単行本にたどる検閲の影』 斎藤理生共編著・澤純共編著・吉岡真緒共編著 東京大学出版会 2020年
監修
- 『太宰治 100の言葉』宝島社 2016
脚注
- ^ “普遍につながる問い 太宰治研究30年 安藤宏さん(東京大教授):東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2021年12月7日閲覧。
- ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.296