告白教会
告白教会(こくはくきょうかい、ドイツ語: Bekennende Kirche)は、1933年に政権を奪取したナチスに反対するドイツのプロテスタント教会がモーセの十戒の第一戒を旗印として団結した組織である。
創設
1933年9月、古プロイセン合同教会は公務員からユダヤ人を追放するアーリア条項を教会にも適用することを決定し、ユダヤ系の牧師は追放された。これに反発したディートリヒ・ボンヘッファー、マルティン・ニーメラーらは牧師緊急同盟を結成し、ナチスに対する反対運動を開始した。
1934年1月にベルリンで教会指導者と神学者の集会が持たれた。5月末にはヴッパータール・バルメンで最初の告白教会会議が開かれ、バルメン宣言が採択された。新正統主義神学の創始者であるカール・バルトが理論的指導者になった。しかしドイツのプロテスタント界では、ナチスの政策に従うドイツ的キリスト者の運動が優勢であり、告白教会の勢力は大きくはなかった。1937年にはマルティン・ニーメラーが逮捕され、強制収容所に収容された。1938年頃には教会の活動は停滞し、水晶の夜にもメッセージを打ち出すことは出来なかった。バルトはこの時期を「ふるい分けの時期」と評している。
抵抗
ボンヘッファーは義兄ハンス・フォン・ドホナーニを介して黒いオーケストラと呼ばれる、ドイツ国防軍内の反ヒトラー組織に接近した。しかし1944年7月20日のヒトラー暗殺未遂事件後に逮捕、処刑された。
参考文献
- 大島末男『カール・バルト』清水書院1986
- 佐藤司郎「第二次大戦勃発と告白教会の説教」