出口康夫
出口 康夫(でぐち やすお、1962年 - )は、日本の哲学者。京都大学大学院文学研究科教授。認識論・数理哲学・科学哲学を専門とする。
略歴
大阪市生まれ。京都大学文学部卒、同大学院文学研究科博士後期課程修了。1996年「超越論的実在論の試み-批判期カント存在論の検討をつうじて」で文学博士の学位を取得。名古屋工業大学助教授、2002年京都大学大学院文学研究科哲学専修助教授、2007年准教授、2016年教授。
研究内容
研究分野は、確率論・統計学の哲学、科学的実在論、シミュレーション科学・カオス研究の哲学、カントの数学論、スコーレムの数学思想、分析アジア哲学など多岐にわたる[1]。
2020年10月24日、京都大学の学術シンポジウム「緊縛ニューウェーブ×アジア人文学」を主催した[2][3]。同シンポジウムは、600人超が参加、アーカイブ動画が約59万回視聴されるほどの盛況を収めた[3]。しかしその後、「これは学問か」というクレームが1件寄せられたため、同年11月5日に動画削除と謝罪文掲載という対応を実施[3]、さらにその対応が物議を醸し「炎上」状態になった[2]。また、シンポジウム内容の研究不正等も指摘され[2]、2021年10月1日には日本倫理学会でその不正をテーマにしたワークショップも開催され出席[4][2]、2021年12月29日に謝罪文を掲載した[2][5]。
著書
共編
- 『応用哲学を学ぶ人のために』戸田山和久共編 世界思想社 2011
- 『これが応用哲学だ!』戸田山和久、美濃正共編 大隅書店 2012
- 『デカルトをめぐる論戦』安孫子信、松田克進共編 京都大学学術出版会 2013
- 『未来の大学教員を育てる 京大文学部・プレFDの挑戦』田口真奈、京都大学高等教育研究開発推進センター共編著 勁草書房 2013
- The Moon Points Back, with Jay Garfield, Graham Priest, and Koji Tanaka eds., Oxford University Press, New York, 2015
翻訳
論文
脚注
- ^ “隔月刊行 ふるえ Vol.27 ソーシャル・ハプティクス 生きるために必要なこと”. furue.ilab.ntt.co.jp. NTT研究所. 2022年11月16日閲覧。
- ^ a b c d e 河原梓水「緊縛研究と哲学者 : 京大・緊縛シンポジウムとは何だったのか」『臨床哲学ニューズレター』第4号、大阪大学大学院文学研究科臨床哲学研究室、69;84頁、2022年3月1日。doi:10.18910/86364 。
- ^ a b c “「緊縛」シンポ、京大が動画公開中止して謝罪 批判受け:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2020年11月13日). 2022年11月16日閲覧。
- ^ 小西真理子「「〈応用〉することの倫理 : 緊縛シンポ、ブルーフィルム、ジェンダー」の特集にあたって」『臨床哲学ニューズレター』第4号、大阪大学大学院文学研究科臨床哲学研究室、2022年3月1日。doi:10.18910/86362 。
- ^ 出口康夫 (2021年12月29日). “謝罪:緊縛シンポジウムについて”. 緊縛哲学研究会. 2022年11月16日閲覧。
外部リンク
- “出口康夫 Yasuo DEGUCHI - 京都大学大学院文学研究科 哲学研究室” (2017年4月18日). 2022年11月16日閲覧。
- “哲学がないと人類は生き残れない!? 社会を支えて変える「ことば」や「ものの考え方」 | SEKAI 未来を広げるWEBマガジン by 東進”. www.toshin.com. 2022年11月16日閲覧。