伯爵夫人 (1967年の映画)
伯爵夫人 | |
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A Countess from Hong Kong | |
監督 | チャールズ・チャップリン |
脚本 | チャールズ・チャップリン |
製作 | ジェローム・エプスタイン |
音楽 | チャールズ・チャップリン |
撮影 | アーサー・イベットソン |
配給 | ユニバーサル映画 |
公開 | 1967年1月5日 |
上映時間 | 120分 |
製作国 | イギリス |
言語 | 英語 |
製作費 | $3,500,000 (推定) |
『伯爵夫人』(A Countess from Hong Kong)は、1967 年に公開された喜劇映画で、チャールズ・チャップリン最後の監督作品。本作はチャップリン作品中、唯一のカラー映画である。また、チャップリンが自分の監督作品で主演をしなかったのはこの「伯爵夫人」と、1923年公開の「巴里の女性」(A Woman of Paris)のみである。チャップリンは、ほんの端役でカメオ出演しているが、これは彼がスクリーンに見せた最後の姿となった。主演はマーロン・ブランド、ソフィア・ローレン、ティッピ・ヘドレン、そしてチャップリンの次男である シドニー・アール・チャップリン。
本作は興行的にも失敗し、批評家からの評価も得られなかった。しかし、チャップリン自身が作曲した劇中の楽曲 This Is My Song は、ペトゥラ・クラークの歌唱によりヒット曲となり、制作費の赤字が穴埋めされることとなった。
概要
駐サウジアラビア大使に任命されたオグデン・ミアーズ(マーロン・ブランド)は、世界旅行を終え、アメリカに帰国する船の上にいた。彼は寄港した香港でロシアからの伯爵夫人、ナターシャ(ソフィア・ローレン)に会う。彼女は売春行為を強要される香港での生活から逃れるため、オグデンの乗る船に忍び込み密航を図るが、オグデンに見つかってしまう。
キャスト
役名 | 俳優 | 日本語吹替 |
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オグデン・ミアーズ | マーロン・ブランド | 土師孝也 |
ナターシャ・アレクサンドロフ伯爵夫人 | ソフィア・ローレン | 深見梨加 |
ハーヴェイ・クロザーズ | シドニー・アール・チャップリン | 伊藤和晃 |
ハドソン | パトリック・カーギル | 佐々木敏 |
マーサ・ミアーズ | ティッピ・ヘドレン | 渡辺美佐 |
クラーク | オリバー・ジョンストン | |
ジョン・フェリックス | マイケル・メドウィン | |
船長 | ジョン・ポール | |
ミス・ゴールズウォロー | マーガレット・ラザフォード | |
社交界の娘 | アンジェラ・スカウラー | |
ダンス会場の娘 | ジェラルディン・チャップリン | |
年老いた接客係 | チャールズ・チャップリン |
製作
本作は、ティッピ・ヘドレンがアルフレッド・ヒッチコック監督の作品でスターとなった後、最初に出演した作品であった。ヘドレンはこの作品に高い期待を抱いていたが、台本を受け取ると期待は失望に変わった。ヘドレンの役は、ブランドの疎遠になった妻という小さなもので、ヘドレンはチャップリンに彼女の役の出番を増やすように求めた。チャップリンはヘドレンの願いを叶えようとしたが出来なかった。本作のストーリーの大半は船の中で進行し、ヘドレンの役は、映画の終わり近くに乗船してくる設定だったからである。最終的にヘドレンはこの役を受け入れ、後に、チャップリンの作品に出演できた喜びを語っている。
なお、本作は全て、ロンドン郊外のスタジオで1966年に撮影された。
エピソード
- 主役を演じたブランドは、当時をふりかえって「ローレンの息が臭かった」とコメントしている。