代表質問
代表質問(だいひょうしつもん)とは、会派などを代表して質問をすること。
国会
国政の方針を示す通常国会での施政方針演説など政府四演説や、首相の所信表明演説に対し、各政党・会派代表者による衆議院及び参議院の本会議で行う質問を指すことが多いが、一般的な法律案などの議案であっても議長または議院運営委員会において特に必要と認められた場合は、内閣総理大臣ないし担当大臣による本会議での趣旨説明をさせ、それに対する代表質問を行うことがある(国会法56条の2項)[1]。国会内では重要法案で趣旨説明と代表質問の開催を要求する意味で、「吊るす」と表現することがある[2]。
参議院では院内交渉団体のみ代表質問権があり、参加議員が10人(通常国会のみ5人)必要である。議事日程では内閣総理大臣に対して質問する場合でも、「国務大臣の演説に対する質疑」と呼ばれる。
手続き
政府四演説に対する代表質問であれば、通常国会の召集日が決まった時点で議院運営委員会理事会による大まかな調整、召集日に理事会での調整内容を確定する作業を経て、演説実施の前日に内閣総理大臣から議長宛てに発言の通告が行われる。演説が終わると遅くとも翌平日中、演説が金曜日に行われた場合衆議院では週明けの月曜日に代表質問を始めるため当日中[3]に議院規則に基づき各会派から質疑通告が提出される。質疑通告には質疑を行う案件、質疑者、質疑時間及び答弁要求閣僚が記されている[4]。質疑者は党首や幹事長といった党最高幹部、参議院であれば議員会長などトップに準ずる立場の議員となるのが通例であり、質問の内容は国政全般にわたる幅広いものとなる。
国会の冒頭に補正予算案が提出された場合は、財政演説に対する代表質問がまず行われるが調整の手続きは同じとなる。通常国会の冒頭に翌年度一般会計本予算ではなく当年度の補正予算が出た場合は、補正予算の成立後に改めて本予算の提出を受け、政府四演説およびそれに対する代表質問の実施を調整する。
重要法案の趣旨説明に対する代表質問では、質疑者がその法律または政策分野の専門家である議員となる場合もある。
本会議での質問と答弁であるため一問一答形式の委員会とは異なり、与野党双方が何回も質問と答弁の応酬をしない。与えられた質問時間の範囲内で2回まで再質問ができる。
代表質問は会派の執行機関が承認した質疑内容しか発言することができない。
都道府県議会
都道府県議会では、国会とは逆に代表質問に相当するのが「質疑」、代表以外の議員が本会議場で登壇して行うのを「一般質問」としている。
各回定例会の会期冒頭に知事が本会議場でその回次に提案した条例などの議案の説明、および施政方針について発言する。会期が通年とされている栃木県議会や三重県議会では、年1回の招集会議、および年に4回行われる通常会議(三重県では定例月会議と呼ぶ)の冒頭において知事が発言し、それに対して質疑がなされる[5]。
各会派は知事の発言終了後、数日間かけて内容を検討し、議事日程で定めた日に本会議で代表質問を行う。国会と同様、質疑開催日の前日までに発言通告書を提出する必要がある。また、交渉会派(所属議員5人以上)しか行うことができないのも、参議院と同じである。
なお県によっては、一般会計予算を扱う定例会とそれ以外の定例会で、代表質問における発言時間に差をつけているところもある[6]。
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市町村議会
市町村議会においては、主に予算を扱う議会(概ね3月)と決算を扱う議会(概ね9月)に、首長が直接、各政党・会派代表者による質問に答弁するものをいう。