乳鉢

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磁器の乳鉢
コショウの実をすりつぶすところ
メノウの乳鉢

乳鉢(にゅうばち、mortar)は、固体を粉砕または混和するために使用するすり鉢)である。乳棒(にゅうぼう、pestle)と共に使用される。

語源は、食物をこれですりつぶして代わりに乳児に与えたことによる[要出典]。世界各地で古代から使われ、現在でも一部の国では食品用にも用いられる。日本でも古くは穀物などが乳鉢で粉砕されたが、今日では食品にはすり鉢が使用され(英語ではすり鉢もmortar、すりこぎもpestleである)、乳鉢は専ら調剤・実験器具として用いられる。

実験器具としての乳鉢

化学実験などで試薬を粉砕するなど比較的硬度が低い試料を調整する場合には、製、ガラス製の乳鉢と乳棒が使用される。これら磁製、ガラス製の乳鉢と乳棒は粉砕に使用される面は粗面に仕上げられており、乳棒で試料を圧搾粉砕するのに(いわゆる「こじる」ように)回転を加えるので試料が逃げ難いようになっている。一方、鉱物など硬い試料を粉砕する際にはステンレスメノウまたはアランダム製の乳鉢が使用されるが、これらの乳鉢・乳棒の面は平滑に加工されており、主に試料を打ち付けることで粉砕するので深鉢になっているものも多い。混合を目的として乳鉢を用いる場合、乳鉢を手に持ち、乳棒ではなく乳鉢を動かして擂ると、よく混ざる[1]

脚注

  1. ^ 日本薬剤師会 (2008), 調剤指針 (第12改訂 増補 ed.), 薬事日報社, p. 118, ISBN 978-4-8408-1051-7 

関連項目