三星堆遺跡
座標: 北緯30度59分36.4秒 東経104度12分1.2秒 / 北緯30.993444度 東経104.200333度
三星堆遺跡(さんせいたいいせき)は、長江文明に属する古代中国の遺跡の一つである。1986年に中華人民共和国四川省広漢市の三星堆で発見された。
概要
紀元前2000年頃もしくはそれ以前と考えられる極めて古い時代に属する三星堆遺跡とその文化は、約5000年前から約3000年前頃に栄えた古蜀文化のものである[1]。 三星堆遺跡自体は1931年に現地住民が偶然に発掘した玉器などをきっかけにイギリス人牧師である V. H. Donnithorne によって発見されていた[1]。
三星堆遺跡からは異様な造形が特徴な青銅製の仮面や巨大な人物像が多数出土している。三星堆の遺跡および文物の発見は 3、4千年前の中国の古蜀国の存在と中華文明起源の多元性を有力に証明してくれる。
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考古遺物
出土する考古遺物は全て三星堆博物館 (zh) が所蔵している。 日本語名で表すことを基本とするが、確認できないものが多い。
- 青銅人頭像
- 青銅製の頭部および頸部で構成された人頭像は、様々に異なる造形物が数多く出土している。
- 貼金銅人頭像
- 「戴金面罩銅人頭像」などとも称。金箔でできた金面を被せた青銅人頭像のことで[2]、様々に異なる造形物が数多く出土している。三星堆文化の代表的な考古遺物として紹介されることが多い。頭頂の形によって「平頂貼金銅人頭像」「丸頂貼金銅人頭像」などと呼び分ける。■右列に画像あり。
- 青銅縦目仮面
- 世界最大の青銅製仮面[2]。異形を呈する巨大な青銅製の仮面であり、三星堆文化の代表的な考古遺物の一つ[2]。中国語名「青铜纵目面具(青銅縦目面具)」、日本語名は「青銅縦目仮面」「縦目青銅仮面」「青銅縦目面具」など。幅138cm、高さ64.5cm[2]。大きな耳と、奇妙に突き出した眼(瞳孔)を具えており、はるか彼方をも見通す神の顔を表したものと考えられている。突出した瞳孔は長さ16.5cm、径9cm[2]。額の中央に穴が開いているが、後述する「青銅戴冠縦目仮面」に見られるような額飾り(冠)が取り付けられているのが本来の形で、それが失われたものと考えられている[2]。口は微笑みをたたえている。1986年に二号祭祀杭より出土した。[3] 二展庁展示品。■右列に画像あり。
- 青銅戴冠縦目仮面
- 大きな耳と突出した眼を具えた神の頭部をかたどった仮面で、額から真上に向けて伸張する長大な額飾り(冠)を有する。日本語名は「青銅戴冠縦目仮面」「青銅戴冠縦目面具」など。殷代晩期のもので、幅78cm、高さ82.5cm。1986年に二号祭祀杭より出土。二展庁展示品。■右列に画像あり。
- 青銅神樹
- 三星堆遺跡の二号祭祀杭から1986年8月に出土した青銅製の扶桑樹。中国語名「青铜神树(青銅神樹)」(雅名「通天神樹」)、日本語名「青銅神樹」。殷代晩期のもので、全高396cm、像高(樹高)384cm。3階層になっている幹の各層に3枝ずつが張り出しており、それぞれの枝に1羽、全部で9羽の霊鳥が留まっている。枝先には果実がなり、樹の下層には頭を下に向けた1頭の龍が這っている。[2][1] ■右列に画像あり。
- 青銅立人像
- 世界最大の青銅製人物立像。直線的な造形をした高さ約260cmの像。殷代晩期のもので、全高261cm、像高172cm、総重量180kg。1986年に二号祭祀杭より出土した。[2] 丈の長い衣裳を身にまとった祭司の姿であり、巨大な両手で何かを抱え持っていたと思われるが、その何かは欠損している。他の出土物から推定して、儀杖であった可能性が高い。三展庁展示品。
- 青銅大鳥頭
- 鷲の頭部をかたどった高さ40.3cmの祭具。中国語名「青铜大鸟头(青銅大鳥頭)」。■ギャラリーに画像あり。
- 青銅人身形器
- 全高46.4cm。人体をかたどった青銅製立像であるが、頭部は無く、用途は推測しがたい。中国語名「青铜人身形器(青銅人身形器)」。■ギャラリーに画像あり。
- 儀杖を持つ祭司像
- 権威の象徴と思われる儀式用の杖を両手で抱え持つ4人の祭司をかたどった青銅製の小さな立像。
ギャラリー
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三星堆遺跡の周辺地図
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青銅大鳥頭
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青銅大鳥頭
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青銅人身形器
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青銅神樹(部分)
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三星堆博物館
脚注・出典
関連項目
外部リンク
- “三星堆博物館” (中国語). (公式ウェブサイト). 三星堆博物館. 2012年1月23日閲覧。
- “三星堆博物館 -四川雑感-”. 歴史と中国(個人ウェブサイト). 個人 (2009年12月30日). 2012年1月23日閲覧。